展示や季刊「生命誌」を企画・制作する「表現を通して生きものを考えるセクター」のスタッフが、日頃に思うことや展示のメイキング裏話を紹介します。月二回、スタッフが交替で更新しています。
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【共生を考えよう】
季刊生命誌66号のおまけのモビールが好評のようでとても嬉しいです(協力してくださった研究者の方が広めてくださいました)。テーマはアーバスキュラー菌根菌と陸上植物の共生。「生きもの上陸大作戦」展の企画段階から、植物が地上で続いていくには欠かせない存在として注目してきて、ようやく具体化できました。 次の号のモビールでは、蘇ラボの奨励研究員の岡本さんに協力していただき、イチジクとイチジクコバチの共生をテーマにしています(つい先日、無事入稿できました)。岡本さんと一緒に企画を進めていく過程で、改めて気づく部分がありました。 「共生」とは「持ちつ持たれつ仲良く」というイメージを持っていませんか?(私も以前はそう思っていました)実はそうではないのです。全ての生きものは自分の子孫を残すために必死です。そのためには周囲のさまざまなものを利用します。お互い(二者)の利益がうまく合致しシステムとして続いているのが「共生」です。自分のことしか考えないなんてと思うかもしれないですが、生き残るために生きものたちは必死なのです。でもそれが結果的にお互いの繁栄へとつながっているなんて、見事なシステムだと思いませんか? 生物の多様性を考えるには、生きものたちがこれまで蓄積してきた戦略(知恵)を知ることが大事だと考えています。それを皆さんに考えていただくことが次号のモビールの狙いです。12月中旬に発行の予定です。お楽しみに。 |
[ 板橋涼子 ] |