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表現スタッフ日記

展示季刊「生命誌」を企画・制作する「表現を通して生きものを考えるセクター」のスタッフが、日頃に思うことや展示のメイキング裏話を紹介します。月二回、スタッフが交替で更新しています。

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【面白い+伝えたい】

齊藤わか みなさんは、例えば「あの人のどこが好きなの?」とか、「あなたの趣味のどこが面白いの?」と改めて聞かれて即答できますか?私はこの手の質問が苦手で「うーん何となく」などと答えてしまいがちです。そのくせ、聞かれもしないのに趣味について熱く語ったりしてしまうこともあるのです。一見矛盾しているようにも見えるこんな行動には、「好き」や「面白い」という思いを「上手く伝えられないけど伝えたい!」という気持ちが現れている気がします。
 こんなことを考えたのは先日、中村館長から「この研究のどこが面白いの? 誰にでもちゃんと説明できる?」という質問をいただいたからです。生命誌68号の編集打ち合わせで、初めて担当することになったリサーチで取り上げたい研究を提示してみたのです。自分で一番面白いと思うものを選んだはずなのに、うまく説明できずしどろもどろでした。生命誌をつくるためには「生き物の面白さを上手く伝えるプロ」にならなくてはいけないのだなと感じました。遠い道のりだけど頑張ろうと思えるのは、冒頭でも言ったように、「面白い」と思ったことを「伝えたい!」と思う気持ちが根底にあって、原動力になっているからです。読者の立場とは別に、生命誌を作るプロセスを楽しみながら取り組んで生きたいと思います。

 [ 齊藤わか ]

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