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表現スタッフ日記

展示季刊「生命誌」を企画・制作する「表現を通して生きものを考えるセクター」のスタッフが、日頃に思うことや展示のメイキング裏話を紹介します。月二回、スタッフが交替で更新しています。

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【バランスと向き合う日々】

遠山真理生きものヤジロベエシリーズ 今日から研究館グッズに生きものヤジロベエシリーズが加わります。生きものヤジロベエは昨年度のBRHカードのおまけとして生まれました。ヤジロベエという構造にふさわしいネタを探し、それを形にしていくために奮闘した様子は以前の表現スタッフ日記でも紹介しています。一年かけて分子、細胞、個体、生態系と、あらゆる階層でしなやかにバランスをとる生きものの姿を表現したところ、おまけのまま終わらすのはもったいないとのありがたい声が上がったので、グッズとして売り出すことになりました。
 実は去年の夏から基本的に家で仕事をしているために、SICPスタッフにフォローしてもらいながら、要所要所で中村先生にも確認をお願いし、4つのヤジロベエをまとめるストーリーが出来上がったのが、12月初めです。そこから、パッケージデザインのやりとりや、当初は予定していなかったヤジロベエの構造を安定させるための工夫などを検討しているうちに、あっという間に年が明けてしまいました。生命誌での仕事はいつもいい意味で予想以上に働いてしまいます。あれもこれも良くしたいと思ったときに、仲間を納得させられるものなら大歓迎という雰囲気があるからでしょう。今回は乳児を抱えての仕事だったのに、まんまと前のめりに働いてしまいました。時間はかかりましたが、完成した生きものヤジロベエシリーズは、型抜きされた台紙と飾りつけるための鉛筆もセットされ、特別な道具なしに簡単に組み立てられるものになっています。生きものがゆらゆら揺れて楽しいなぁで終わることなく、生きもののしなやかな側面について考えられるよう、解説書もついています。ぜひ、手を動かして実際に組み立てながら、バランスをうまくとる生きものたちの姿を実感してもらえたらと思っています。
 この半年間、ヤジロベエを通して生きもののバランスと向き合ってきましたが、私自身、仕事と育児のバランスってどちらも楽しいだけに難しいなぁと悩みつつ、子供たちが寝ているすきにこの原稿も書いている状態です。なかなか簡単に答えはでませんが、ここは、生きものを見習ってしなやかに乗り切りたいなと思っているところです。


 [ 遠山真理 ]

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