今号テーマ
生まれてからの時間
地球は、砂漠から熱帯雨林、寒冷地まで実に多様な環境を蔵しています。やや傾いた軸で自転し太陽を巡る地球には、季節や日長の変化も宿ります。地上の生きものは、環境の変化と周期に、自らの時間をうまく同調させ、生まれてから死ぬまでを精一杯生きています。あちこち動き回る動物と、地に根を生やす植物とでは、まったく異なる方法で時間を感知・制御しているのです。「生きている基本」である細胞にも一生の時間があります。それぞれの生まれてからの「生きものの時間」を考えます。
写真家・農家である今森光彦さんと、科学者・歌人である永田和宏館長との対談もご期待ください。
生命誌から生命科学の
明日を拓くⅢ
シンポジウム『生命誌から生命科学の
明日を拓く』は、今年第3回を迎えました。
第1回はiPS細胞の山中伸弥さん、
第2回はオートファジーの大隅良典さん
をお招きし、
今回は写真家の今森光彦さんです。
RESEARCH & PERSPECTIVE
個体が刻む一生の時間
ー生まれてからの時間ー
丸い地球は、太陽との関わりで、砂漠や森林、寒冷地など、さまざまな環境をつくり、気候や季節の変動をもたらしますが、地球の自転周期は24時間でめぐります。一方で私たちの体の中も独自に生まれる時間が存在します。「生まれる」「育つ」「暮らす」「老いる」「死ぬ(寿命)」のライフステージと、生きものの刻むさまざまな時間に注目して「生まれてからの時間」をたどりましょう。
PAPER CRAFT
近くて遠い トカゲの仲間
パンサーカメレオン
爬虫類は私たち哺乳類と同じ、胎児をつつむ羊膜をもち陸上で子供を育てる仲間です。爬虫類のなかでもトカゲの仲間は、約7千種と陸上動物の中では最も種類が多い頼もしい隣人です。
しかし、変温動物で冬は苦手なのか日本の在来種はわずかに約30種。身近なようで、なかなかお目にかかれないトカゲのなかまに紙工作で迫ります。