展示や季刊「生命誌」を企画・制作する「表現を通して生きものを考えるセクター」のスタッフが、日頃に思うことや展示のメイキング裏話を紹介します。月二回、スタッフが交替で更新しています。
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私とナナフシ
2013年11月15日
先日、出勤途中に道に落ちていた小石につまずき激しく転び、ひざ小僧をすりむいて、レギンスにも穴があきました。大人なのに…(ため息)。おかげさまで傷にはかさぶたができ、今はもうほとんど治りました。私がクヨクヨしている間にも、血小板や赤血球が傷口に集まってくれ、その下で表皮細胞がせっせと分裂してくれていたお陰です。みんなありがとう!
そんな、ふがいない私を毎日勇気づけてくれるのは研究館のナナフシです。展示ホールの飼育槽だけでなく、私のデスクにもナナフシ虫かごが1つあります。「卵はどれくらいで孵化するんですか?」とか「ナナフシは何歳まで生きられるのですか?」など質問を受けることがあるので、展示用とは別に卵から飼って観察中です。ナナフシは本当におとなしく、1日中枝や葉っぱにつかまりジーッとしています。そして時々、ユラユラゆれています。体も細いですしたよりない見た目ですが、再生能力は抜群でひざ小僧の傷を治すどころではなく、脚がぽっきりとれてもまた生えてきます。生きものの生き方は本当にそれぞれ多様です。今いる生きものはみんな38億年前から途切れずに続いてきたわけで、どれが一番優れているとか、正解なんてないのだと思いますが、人間の私から見るとナナフシの生き方は奇妙に感じます。でも、ヒョロヒョロ、ユラユラとしたナナフシを見つめ「これがこの子の生き方なのか」と思うと、私も「ヒトとしてはりきって生きよう!」と励まされます。ナナフシも私のことを見ながら変な奴だと思っているのかもしれないです。
そして、10月にそんなナナフシの展示を刷新しました。標本と飼育槽を見ながらナナフシの進化・発生・生態系を考えられるように新たなパネルをつくり、配置もかえてみました。ぜひ、見にいらしてください。近頃、チビナナフシがたくさん生まれ飼育槽の中はとってもにぎやかです!
新登場のナナフシパネルです!
重なり合うアマミナナフシたち。