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表現スタッフ日記

展示季刊「生命誌」を企画・制作する「表現を通して生きものを考えるセクター」のスタッフが、日頃に思うことや展示のメイキング裏話を紹介します。月二回、スタッフが交替で更新しています。

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【治す力】

板橋涼子
 今回の蘇さんのラボ日記が、わりと堅めな研究ネタ(イチジクとイチジクコバチの共生関係のお話、なかなか興味深いです)なので、私はゆるい話にしたいと思います。
 最近、ひどい風邪を一ヶ月ほどひいていました。胃腸から始まり、微熱が続き、咳が数週間止まらないのです。小さな頃から低空飛行ながらも健康面には自信があったのですが、今回は完全にダウンしてしまいました。そんな中、夜中に激しい発作のような咳をした瞬間、胸に妙な違和感を覚えました。それ以降、咳をするたびに、「ツキーン」という痛みが常に走るようになったのです。
 呼吸をするのもしんどい状態で、「もしかしたら骨が折れているかも」と思い病院に行ってレントゲンを撮ってみると、折れてはいませんでしたが、ひびが入っていました。その時、先生にこう言われました。「ひびの入った部分がモヤモヤしています。これは再生し始めていますね。」痛みを感じてわずか数日しか経ってないのに、自分の気づかないうちに、体が勝手に治る方向に向かっていると思うと少し感激してしまいました。傷が治ることなんて当たり前のようですが、仕事柄、その背景にある緻密な複雑なしくみを考えてしまうので、ちょっと自分が愛おしくなります。このような実感、皆さんしたことありますか?

 [ 板橋涼子 ]

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