展示や季刊「生命誌」を企画・制作する「表現を通して生きものを考えるセクター」のスタッフが、日頃に思うことや展示のメイキング裏話を紹介します。月二回、スタッフが交替で更新しています。
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【ひさかたの】
ヒマワリに水をあげながら、空を見上げると、雲が多くて幾層にも青空が重なっていて、どこまでも広くて視界がぼうっとなります。「ひさかたの空」というのは、これをいうんだなあ、と高槻の空を見て納得しました。空や雨、天や光などの言葉にかかる枕詞「ひさかた」は、解釈もまちまちですが、雨が降ったりやんだりするなかでの“ひさしぶり”の晴れだったり、“はるか彼方高い位置”の太陽などを表したり、天の遠さをあらわす言葉のようです。抜けるような青空よりも、霞がかって吸い込まれそうな天にこそ「ひさかた」の語感はよく合うような気がします。梅雨の晴れやまぬ空を眺めて、そんな事を考えました。昨日は、こっそりトマトと枝豆とオクラと朝顔を植えました。ひさかたの日の光を浴びて、食草園の植物はみんな元気です。 |
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[ 今村朋子 ] |