展示や季刊「生命誌」を企画・制作する「表現を通して生きものを考えるセクター」のスタッフが、日頃に思うことや展示のメイキング裏話を紹介します。月二回、スタッフが交替で更新しています。
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【緩い関係】
私の実家は飲食店をやっていることもあり、野良猫の立ち寄り所になっています。毎日決まった時間 に数匹の猫達がエサ(うどんのダシに使うかつお節)を求めて訪れるのです。しかし、この猫たちは人間に気を許しません。人間と一定の距離を保ち、あまり触 らせてくれないのです。中には人懐っこいものもいますが・・・。大抵は近付くと逃げるか威嚇されることもあり(ネコパンチをくらったこともある)、人間に 言わせると「可愛くない」のかもしれないのですが、我が家ではこれくらいの緩い関係がちょうどいいのです。 我が家には過去、野良猫から家猫に昇進したものがいます。まだ子猫で人懐っこく、両親の心をぐっと掴んだため、運良く家族の一員となれたのです。野良猫 出身なので、家で飼っているといっても半野良状態。飼っているというより、家に住みついている、寝床を貸しているというのが正確な表現のような気がしま す。家でご飯を食べるとすぐに外に遊びに出かけ、長いと3日ほどは帰ってきません。喧嘩をして傷だらけで帰ってくることもあれば、セミ(獲物?)をくわえ て帰ってくることもあり、近所でもご飯をごちそうになっていたりと、とても充実した日常を送っていたようです。 近頃は猫を室内で飼うのが常識で、外へお散歩する時は、犬のように手綱をつけるらしいですね。猫の自由気ままな気質を考えるとちょっとかわいそうと思い ますが、交通事故からの身の安全を考えると仕方ないのかもしれません。世の中が変われば、身近な動物との関わり方も変ってきますが、出来れば猫とはこれか らも、つかず離れずの緩い関係を保ちたいものです。 |
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[ 板橋涼子 ] |