展示や季刊「生命誌」を企画・制作する「表現を通して生きものを考えるセクター」のスタッフが、日頃に思うことや展示のメイキング裏話を紹介します。月二回、スタッフが交替で更新しています。
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【もう皆さまのお手元に・・・】
四月のある日、生きもの研究の表現を通して知識共有を広げる試みの場、BRH展示ホールに、写真家大西成明氏をお呼びして、思うままに“狩り”をしてもらいました。もちろん大西さんは、飛礫や槍を投げたりしません。シャッターを切るのです。しかし「村田さん、あとオレやっとくから、しばらくホットイテ」と言い残して館内をうろつく様は、やはり狩猟するものの姿です。 その日の“獲物”から選ばれた一つがカード49号の表紙になりました。写っているのは「ゲノムが語る生命誌」展の導入部にある直径15cmのクリスタル造形です。これは「生きものの基本単位である細胞の中で、生きることを支えるDNAのまとまりをゲノムと呼ぶ」ことを表す人工物ですが、写真としての生命を吹き込まれ、生きているように見えるのが不思議です。 カードおまけのポップアップでは、やはり同展示の<生命誌絵巻ゲノム版>を元に、こちらはスタッフ遠山さんの格闘とペーパーエンジニア坂啓典さんの技により、さらに見たことない形に生れ変りました。また皆さんから、カレンダーがなくなったのは困るという声が多く寄せられ、これも復活しました。暦ではBRHイベントもチェックしましょう。SICPの今年のサマースクールでは、みんなでポップアップづくりに挑戦しますので、是非ご応募を。 BRHは試みの場です。完成!と思うのは一瞬。端からまた新しく変り続けています。これを読んで下さった“あなた”をはじめ、いろいろな人々の協働によって動いています。 |
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[ 村田英克 ] |