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表現スタッフ日記

展示季刊「生命誌」を企画・制作する「表現を通して生きものを考えるセクター」のスタッフが、日頃に思うことや展示のメイキング裏話を紹介します。月二回、スタッフが交替で更新しています。

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【JT生命誌研究館のご案内】

村田英克
 「生命誌って何?」多くの人がそう思って館を訪れて下さいます。入館してすぐの壁に飾られた「生命誌絵巻」(1993年開館当初より)は、それを一枚の絵で表わすもの。38億年のつながりと広がりの中に描かれた生物たちとその関わりに思いを馳せれば、眺めて飽くことがありません。
 次に目に入る(入りきらない)のは、「生命誌の階段」(2003年のBRH10周年に開設)。額縁に収まっていた絵巻の世界観を、ドーンと研究館の実物大に投射。見上げると、てっぺんは食草園から空へ抜ける。音声ガイドを聞き1階から4階を足で歩いて38億年を体感しましょう。
 ナイアガラ瀑布のような生命誌の階段をくぐれば展示ホール。手前から奥へ貫き38億年を透かして観る「生命誌のお散歩」を中心に、1階は、個別の切り口から生きものの不思議を探る展示。私たちヒトも生きものの関わりの中にあることを一緒に考えましょう。2階ギャラリーは季刊『生命誌』でお馴染みの年間テーマ「愛づる」「語る」「観る」から、文化を持つ人間である私たちは、他とどう関わるべきかを考えます。一つひとつの展示・映像は、それぞれの切り口から生命誌の考え方を表現し、すべては呼応し空間全体が生命誌という一つの「観」を体現する。さらに表現の場である展示空間と研究ラボの活動が一体になったのが「生命誌研究館」です。
 このような全体像をイメージしながら、私たちは現在「生命誌のお散歩」をぐるりと囲む中央展示台を中心にリニューアルを準備しています。ここには三つのテーマが含まれ、その一つの「ゲノム」を探り「生命誌って何?」を表現する展示は私が担当。展示ホールの新しい顔となるよう皆で連携して作業を進めています。12月から1月頃のお披露目をご期待下さい。
 最後になりましたが、前々回の表現スタッフ日記であったように、これまでチームをまとめて下さった工藤さんが一旦、ここを離れることになりました。海外でも繋がり続けてくれた工藤さんへの感謝の思いはここで書きつくせるものではありません。ほぼ期を同じく8月26日、JT生命誌研究館は、日本進化学会から「教育啓蒙賞」の表彰を受けました。受賞理由は、「長年にわたる進化学の教育・啓蒙活動への多大な貢献」で、これまでの館の活動全体の業績を称えたものです。その一翼を担う重さを受け止めながら、SICPは、10月から新しい一歩を踏み出します。「なるほど!生命誌ってすごい!」と言っていただけるような活動を目指して現在のスタッフ一同でがんばります。今後とも、ご指導、ご鞭撻、お願いします。


 [ 村田英克 ]

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