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表現スタッフ日記

展示季刊「生命誌」を企画・制作する「表現を通して生きものを考えるセクター」のスタッフが、日頃に思うことや展示のメイキング裏話を紹介します。月二回、スタッフが交替で更新しています。

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【あるスタッフの一日】

村田英克
 朝一番は食草園の見回り。蝶は午前中に良く飛ぶから朝の食草園は蝶に出会えることが多い。今日はナミアゲハがひらひらしている、こちらはこっそりと様子を眺める。小さな花壇だが、毎日何かがあって草花だけでも飽きない、今アザミがきれい。ここで吸蜜するスカシバを撮影した写真を吉川先生に見せてもらった。「これ、どこの草原ですか」みたいなきれいな写真で、いつも先生の撮られる蝶の写真には「蟲愛づる」気持ちが溢れている?!「愛づる」では、先日のイベント朗読ミュージカル「蟲愛づる姫君-ものみなひとつの細胞から-」の高槻公演もおかげ様で無事に終了しました。ご来場くださった皆様、本当にありがとうございました。楽しんでいただけましたでしょうか。この舞台は、何と言ったらいいか、何の予備知識もなくはじめてご覧になった方は新鮮に感動していただけたのではないでしょうか。私は去年、このお芝居を稽古場で見せて頂いた時の「うわっ、こんなものがあるんだ」という驚きというか、喜びというか、これははじめて見た。という思いは忘れられません。今度から館のビデオブースでもこのお芝居を映像でご覧いただけるようになります。まだの方は是非。イベントごとは、当日までの準備やリハーサルの緊張感を思うと大変ですが、終わってしまうと妙に寂しいです「細胞一座の皆さーん!またお願いしまーす!」。
 午後は、ある高校の先生と生徒さん15人をガイドツアーで案内。展示ガイドは、専任の方にも手伝って頂いているのですが、そもそも展示や媒体をつくっている当の本人がそれをやらずに何とする。できるだけ自分たちでやろうと決めています。何で生命科学研究所でなく生命誌研究館なの?DNAってどこにある?タンパク質って何やってるの?脳って?そして、研究することと表現することのつながりは?理解するってどういうこと?ガイドしている時、むしろその時こそ問われます。そうやってこちらがもらうもののほうが大きいかも知れません。「説明しても意味がない。語らなければ。」今年は生命誌ジャーナルのトークを担当しています。今年のテーマは「語る」。ガイドをしている時も「語る」が頭から離れません。「どちらも言葉を使うので、説明と語りの違いがなかなかわかってもらえない。」とは、今編集中の秋号(カード42号)の中村館長のフレーズです。さてどんなトークが展開するか、皆さま、今しばらくお待ちください。
 と、日記を書いているうちにもう夜11時!ワシントンの工藤さんは朝です。メールしよ。あっと、福井さん、寺西さんごめんなさーい。あした必ず修正しまーす!


[村田英克]

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