展示や季刊「生命誌」を企画・制作する「表現を通して生きものを考えるセクター」のスタッフが、日頃に思うことや展示のメイキング裏話を紹介します。月二回、スタッフが交替で更新しています。
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暑い日が続きます。ここ高槻でも雨はほとんど降らず、日々晴天。夏という感じです。夏といえば蚊に悩まされる季節。庭に出るなり蚊に餌食にされたあげく、部屋にまで持ち帰り、安眠まで妨げられる始末ですが、今年はどうも蚊が少ないようです。毎晩深夜に目を覚まし、蚊と格闘するという毎年恒例の行事がまだ一度もありません。蚊も水不足に悩んでいるのでしょう。そして、最近、蚊自身の体に異変が起きているということも発見しました。例年に比べて蚊が小さいのです(少なくとも我が家ではそんな気がします)。もともと小さな蚊がさらにコンパクトになっているようで、これも水不足の影響でしようか。 蚊は、蠅や虻と同じ双翅目の昆虫(嫌われものグループ)で、水面に浮かんだ卵がボウフラ(幼虫)になるまでに1週間弱、それが4回の脱皮を経てオニボウフラと呼ばれる蛹になるのに1〜2週間、その2〜3日後には成虫となり、数十から数百の卵を残します。雨が少なく水がすぐに干上がるので、このサイクルが短い個体だけが生き残っているから体が小さいのでしょうか?つまり、大きくなる暇がないということなのか、あるいは単にボウフラが食べる生きものの死骸やバクテリアが水不足で減っているのか、それとも、条件によってホルモンバランスが変化して成虫になるまでの期間が調節されるといった機構が備わっているのか、理由は知りません。
とにかくめちゃくちゃに暑い夏ももう少しで終わろうとしています。蚊が少ないのは有り難いけど、水不足も困るという嬉しいような悲しいような複雑な気持ちで過ごした夏でしたが、来年の夏は?蚊は?どうなっているでしょうか。少し気がかりです。
[鳥居信夫]
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