展示や季刊「生命誌」を企画・制作する「表現を通して生きものを考えるセクター」のスタッフが、日頃に思うことや展示のメイキング裏話を紹介します。月二回、スタッフが交替で更新しています。
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【生命の話】
2001年6月15日
「宇宙だと?」 宇、即ち天地、左右、前後 − つまり空間のことである。 宙、即ち過去、現在、未来 − つまり時間のことである。 『陰陽師』(夢枕獏、文春文庫)を読んでいたら、上のような会話が出てきた。 中国の古書『尸子』に、 "上下四方を宇といい、往古来今を宙という" との記述がある。 とのことだ。 なんとよくできた言葉だなぁ、と思いながら、「生命誌絵巻」を連想した。 「そうだな。ではまず生命の話からしようか−」 「生命だと?」 生、即ち天地、左右、前後に繋がっている − つまり生態のことである。 命、即ち過去、現在、未来と繋がっている − つまり進化のことである。(嘘!) …私の作り事でありますが、現在「共生」展示を企画中なもので、つい、「生命」という言葉が、現在の環境に存在する多様な生命の関係性と、「生命誌」のいう生命の歴史性を同時に含んではいないか、と、期待しつつ辞書をひくと、もちろん違った。その語源、ゆくゆくじっくり調べてみたい。 [北地直子] |