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表現スタッフ日記

展示季刊「生命誌」を企画・制作する「表現を通して生きものを考えるセクター」のスタッフが、日頃に思うことや展示のメイキング裏話を紹介します。月二回、スタッフが交替で更新しています。

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【もうすぐ「脳の生命誌〜仮説を楽しむ」展が始まります】

2001年5月15日

 「脳の生命誌〜仮説を楽しむ」展が6月5日から始まります。以前も書いたかもしれませんが、50点近い脳標本が展示されます。脳は、チョウの翅ほど形や色にバラエティーがあるわけではありません。色は同じですし、形も大きくは違いませんが、その中にそれぞれの動物に固有の行動の秘密が隠されていると思うと、なかなか神秘的なものです。よく見ると脳の各部位の大きさはかなり違うのがわかるはずで、この違いがそれぞれの動物の生活と密接に関係しています。魚類、両生類、は虫類、哺乳類と進化の過程での脳の変化を見るのも楽しいと思います。サメは脳は大きくて見やすいし、形が哺乳類のものとはかなり違っているので、これらとの間で脳部位の対応関係を見ていくのも面白いのではないでしょうか。
 
しわの形や数も違います。イルカの脳は複雑なしわを作っていますが、ジュゴンの脳にはほとんどしわはありません。ジュゴンは温厚な性格で、海藻を食べのんびりと生活する動物です。こうした生活を成り立たせるのに、複雑な脳は必要ないのでしょう。
 マッコウクジラやゾウなどの大きな脳も見応えがありますし、小さな昆虫の神経系も美しいものです。「昆虫に神経があるの?」とビックリされる方もいるのではないでしょうか?昆虫の脳は取り出すのが大変なので、これまでに展示されることありませんでした。 面白く説得力のある仮説がたくさん登場する展示ですので、標本を見ながらこれらの仮説を是非楽しんで下さい。
[鳥居信夫]

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