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ラボ日記

研究セクターのスタッフが、日常で思ったことや実験の現場の様子を紹介します。
月二回、スタッフが交替で更新しています。

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細胞培養

2017年2月1日

秋山-小田康子

12月にバタバタと水戸まで出かけ、茨城大学の仁木先生に細胞の培養方法を教えていただきました。仁木先生はショウジョウバエの培養細胞を使い、生殖細胞に関するおもしろい仕事をされています。以前から学会でお会いするたびにオオヒメグモでもやってみたらと声をかけてくださっていたのですが、なかなか実現できずにいました。でも、培養細胞を使った研究はずっと始めたいと思っていたこと、ちょうど背中を押してくれる方がいて、また、いろいろな状況から先延ばしにはできないと思い、行ってきました。突然メールし、急遽お訪ねすることになったのですが、快く受け入れてくださってありがたく思っています。今回はオオヒメグモの雌と卵を連れて行き、実際に卵を使って実習し、培養開始した細胞を連れて帰るという、大移動となりました。なんとか無事に連れ帰ることができ、一月半ほど経過。恐れていたコンタミはなく、生きている細胞もいるようです。このまま細胞たちがどうなっていくのか分かりませんが、仁木先生からのアドバイスは、待て。まだ待ての期間内なので辛抱強く待ちます。待つのは苦手なのですが。もちろん、こちらでも規模を拡大して新たに始める計画です。

実は大学院に入った時に指導教官の堀田先生から提案されたテーマのひとつに、ショウジョウバエの培養細胞を樹立して何かやる、というものがありました。当時は、何か以上の意図も分からず(何も分かっていなかったということですね)、結局、培養を習ったところで違うことを始めてしまったのですが、今は先生のやりたかったことが何となく分かります。培養細胞でいろいろな神経を作れるようにしてシャーレの上で神経回路を作りたい、そんなことだったのだな、と思います。そして、今まさに合成生物学など、シャーレに再現する実験を行う研究が世の中に出てきて、今更ながら先見性に気づかされます。私の方は、まだまだどうなって行くのか分かりませんが、なんとか次のステップへつなげていけたらと思っています。

[ ハエとクモ、そしてヒトの祖先を知ろうラボ 秋山-小田康子 ]

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