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ラボ日記

研究セクターのスタッフが、日常で思ったことや実験の現場の様子を紹介します。
月二回、スタッフが交替で更新しています。

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妖怪とリンゴと技術の進歩

2015年3月16日

秋山-小田康子

腕にはめるウェアラブル端末が発売されるらしい。子供に人気の妖怪のではなくて、リンゴのマークのだ。その昔、そのうち機械を人間に埋め込むようになるのでは?と冗談のように話していたけれど、それにまた一歩近づいたようだ。人間の未来を危惧しつつも、私も一応、理系の人間。新しい技術に全く興味がない訳ではない。まあ、ガラケー持ちにはそのウォッチは用はないらしいのだけど。研究の世界でも技術の進歩は凄まじい。iPSやゲノム編集、次世代シーケンサーの登場で生物の研究はここ数年で大幅に変わった。研究の技術に関しては、さすがに用はないなんて言ってはいないけれど、それでも、目の前の実験とデータ解析をしている間に取り残されてしまいそうな勢いだ。焦る気持ちを抑えて、少しずつでも進まないと。今は、大量のシーケンスの解読を、もっと精度よく行う技術を試したいと考えている。もちろん、そのデータを解析するコンピューター技術を身につけなくてはとも思っている。この1年で、自分の相棒のリンゴのマークのPCをようやく文房具から計算機にグレードアップできたかなというレベルまでは達した。今年はさらに向上できたらと思う。

技術革新つながりでもうひとつ。わたしたちのグループでの新たな成果として、ボスの小田さんが中心となって解析してきたカドヘリンを、新しく開発された顕微鏡で見ることができたのだ。蛍光分子を利用した観察はこれまでも行ってきたが、今回のはそれとは違う。卒業生の西口さんとの共同研究で、カドヘリン1分子の形態が観察できたようだ。この辺の詳しいことは3月21日のレクチャーで話があるので、興味のある方は是非どうぞ。

[ ハエとクモ、そしてヒトの祖先を知ろうラボ 秋山-小田康子 ]

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