研究セクターのスタッフが、日常で思ったことや実験の現場の様子を紹介します。
月二回、スタッフが交替で更新しています。
バックナンバー
どこかで誰かが見てる
2014年7月1日
ここでお世話になるようになって、もう一年が経ちました。やる気に満ち満ちていた(ような気がする)一年前と比べると、限られた時間の中でできそうなことと、やりたいけどできそうにないことがだんだんはっきりしてきて、地に足のついたやる気へと変わってきました(ような気がします)。気がつくと、つまらないことにムキになったり、ぐずぐずしたり、(ワールドカップとか)他のことにふわふわしていたりの自分にとって、このやる気を維持するのは結構難しいです(佐々木さんが書かれているモチベーションの話と似ているかもしれません)。自分には、そんなやる気を維持するために効果があるとわかっているスイッチみたいなものがいくつかあります。
一つ目は、以前にも書いたどなたかの直筆の署名や激励の言葉です。他にも直接お願いして書いていただいた本を持っていて、それを見て「あの先生もがんばれと言っているんだ」と勝手に思っています。
二つ目は、自分の論文の被引用数(他の論文で引用されている数)を見ることです。論文を書いたら終わりではなくて、その後誰かに読んでもらえて、誰かのためになったのかもしれないなと思えるからです。そして、自分の研究を世界のどこかの知らない誰か(知っている方のときもあるのですが)が見てくれているのだと実感できるからです。実はここのところ、このやる気スイッチが機能していませんでした。数年前に書いたこれまでで一番思い入れのある論文がずっと引用されないままだったのです。それが、先日ようやくある論文で引用してもらえました。本文中で「こんな例もある」の一言でしか言及されていないけれど一回は一回です。褒めてくれるのは身内だけの自分にとって、引用してもらうことは褒めてもらうことと似ているのかもしれないです。