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ラボ日記

研究セクターのスタッフが、日常で思ったことや実験の現場の様子を紹介します。
月二回、スタッフが交替で更新しています。

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【思いの外】

尾崎克久

 奨励研究員(ボスドク)としての2年目も残すところ3ヶ月足らずとなりました。論文としてまとめるにはまだ2歩も3歩も足りない状態ではありますが、いくつかの発見を第25回日本分子生物学会年会(横浜)で報告させていただくことができました。周辺に並んでいる発表内容からは浮いてしまっていた感のあるアゲハふ節EST解析のポスター発表を、実に多くの方々に聞いていただけてとても嬉しく思っています。聞いていただいた方には有無をいわさず名刺を渡していたところ、90枚ほど用意してあったものが残り22枚になっていたのには自分自身驚いています。
 今回のポスターには、妊娠中で身重ながら研究補助員として大きな貢献をしてくれた妻と、母親のおなかを蹴って実験中の両親に莫大な励ましを与えてくれた息子への謝辞を写真入りで載せておいたのですが、これが思いの外好評でした。研究発表に私情を持ち込んではけしからんというお叱りを受けるかも知れないと覚悟はしてあったので、多くの方に微笑ましいと言っていただけたことに安堵しています。生命誌研究館と分子生物学会には、このようなユーモアを受け入れてもらえる懐の深さがあるのだと実感しました。
 自由度の高さは、いろんな場面でのやりやすさにつながると思います。研究の面でも、新しいアイデアや挑戦を盛り込んでいきたいという意欲をかき立てられる出来事でした。



[昆虫と食草の共進化ラボ 研究員 尾崎克久]

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