研究セクターのスタッフが、日常で思ったことや実験の現場の様子を紹介します。
月二回、スタッフが交替で更新しています。
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先日、JT生命誌研究館の学生さんが主催した、「たこ焼き会」というものに参加しました。おそらく関西でしか行われていないと思われますので簡単に解説すると、みんなでワイワイやりながらたこ焼きを焼いて、焼けたらみんなでつつきながら話をするというパーティです。他所から来た人間としては、たこ焼きが晩御飯になるということだけでも違和感があるのですが、パーティの主役になるというところが関西ならではないかと思いました。何やら「異文化に接している」という感覚を覚えました。
気候風土習慣雰囲気など様々に異なる大阪に引っ越してきて、約一年が過ぎました。昨年の3月に慌ただしく引っ越しの準備をして、どうにか大阪に来ることができたのがつい先日のことの様に感じます。振り返ってみると、試行錯誤しながら手探りで実験をすすめていく楽しさを満喫した一年でした。自分にとって、学生時代以上に勉強になったと思っています。JT生命誌研究館内外の多くの方々の協力もあって、なんとか軌道に乗りはじめて一安心といったところではありますが、大切なのはこれからです。
これまでのいろいろなことを振り返ってみると、過ぎてしまえば早かったと感じるものがほとんどです。長い学生生活も終わってみると早かったと感じますし、かつては遥か遠い未来だと思っていた30歳も、なってみると早かったと感じています。当研究館の奨励研究員(ポスドク)の基本的な任期は2年間なので、早いものでもう半分が過ぎてしまいました。残り一年も、たぶん「あっという間」に過ぎてしまうので、日々の生活を無駄にしてはいけないと思っています。
ところで私の研究の題材は卵です。卵にはその動物の歴史が刻まれていると考えているからです。まずは個々の動物の卵の発生を知るところから始めなくてはいけませんが、いろいろな動物に関する情報が蓄積してくれば、動物の似ている点や異なっている点がより明確になり、何億年も前に起こった進化上の重要な出来事が分子の言葉で理解できるようになるのではないかと期待しているのです。
[昆虫と植物の共進化ラボ 奨励研究員 尾崎克久]
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