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ラボ日記

研究セクターのスタッフが、日常で思ったことや実験の現場の様子を紹介します。
月二回、スタッフが交替で更新しています。

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バックナンバー 【クモを飼う】

 「クモを飼っている」と言ったら、びっくりされてしまうかも知れません。私自身も、子供の頃に虫とりをした経験もほとんどなく、部屋に奇妙な(気味の悪い?)生き物がいたらのけぞって母を呼びにいってしまうような人間でしたので(余談ですが、母は御近所に出現したゴキブリの退治に呼び出される程のツワモノでしたが。)自分の研究がこういう方向に展開しているのがかなり意外です。でもこの新鮮な意外性をいま思う存分楽しんでいるところでもあります。飼育しているのはオオヒメグモといって不規則な網を張り、獲物がやってくるのをじっと待っている非常におとなしいクモです。獲物に気付いたとき「アレッ、ナニカアル!」とおそるおそる近付いていく様子、それが食べられるものであることを確認した後の素早い動作、なんだか非常に人間臭く、見ていて笑ってしまいます。クモをペットにしている人がいることに納得しながらも、もしかして私、危ない方向にいっているかも?と、密かに心配してもいます。

 ところで私の研究の題材は卵です。卵にはその動物の歴史が刻まれていると考えているからです。まずは個々の動物の卵の発生を知るところから始めなくてはいけませんが、いろいろな動物に関する情報が蓄積してくれば、動物の似ている点や異なっている点がより明確になり、何億年も前に起こった進化上の重要な出来事が分子の言葉で理解できるようになるのではないかと期待しているのです。


[ハエとクモ、そしてヒトの祖先を知ろうラボ 研究員 秋山-小田康子]

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