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ラボ日記

研究セクターのスタッフが、日常で思ったことや実験の現場の様子を紹介します。
月二回、スタッフが交替で更新しています。

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バックナンバー 【叶える希望を常に】

 1997夏の最初のオサムシ採集以来、毎年初夏の遠征はほぼ定着してきました。大都市の生活を忘れ、山々の奥に入り、大自然に溶け込んだ、約2週間の山暮らしは実に多くの感動(時にはがっかりすることもある)を与えてくれました。目一杯のトラップを仕掛け、期待を膨らませながら長い夜が過ぎるのを待って、翌日に仕掛けたトラップを1個ずつ覗き込んでいきます。「もしかしたら次のトラップに何か意外なものが・・・」という期待は、最後のトラップを見るまでは絶対に消えません。そして新たにトラップを仕掛けることによって更なる期待を与えられ、常に希望を持ち続けることは実に魅力的で素晴らしいものです。
 希望というのは、自ら立てたり、人から与えられたり、周囲の環境から生じたりするものですが、研究者は皆ある研究目標を設定し、自分に希望と期待を与えます。それから研究計画を立てて、それに基づいて実験を行い、目標に近づいていきます。大きな目標があれば途中で道を迷ったり遠回りしても方向を見失うことはありません。それだけでは不十分。大きな目標を達するまでの間に、比較的短期間で達成できる小さな目標を多く設定する必要があります。小さな目標を1つずつ達成していくことによって、期待がかなう感動と満足感を常に味わうことができ、次の目標に向ける原動力になります。「叶える希望を常に」をもつことはとても大切なのです。
 私は2月下旬に西表のイチジクとそのイチジクに花粉を運ぶコバチを採集に行ってきました。「イチジクに出会った感動と恐怖」というタイトルでこの日記を書き始めたのですが、何故か上のような、訳分のからない別物になってしまいました…。


[DNAから共進化を探るラボ 研究員 蘇 智慧]

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