館長の中村桂子が、その時思うことを書き込むページです。月二回のペースで、1998年5月から更新を続けています。
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惰眠をむさぼろう
2017年7月18日
気候変動が激しいので夏風邪を引いてしまったかと思っていましたが、風邪薬では一向によくならず、ついに9度の熱になりました。病院に行きましたら、CTで左の肺にみごとな白い影。「肺炎ですね。本当なら入院なんですけれど」の先生の言葉にびっくりです。肺炎というやわな感じの病気にかかるとは思ってもいませんでした。「高齢者の死因は肺炎が多い」と脅されて明日から自宅静養します。2、3日ですむとありがたいのですが。食欲ゼロ、本を読む意欲ゼロ、時間はたっぷりあるのに何かを書こうという気持などまったく起きません。こんなに何もしたくなくなる状況があることに驚いています。音楽を聴きながら惰眠をむさぼろうと思います。
なぜかこういう時まずかけるのは、グレン・グールドが弾くバッハの「ゴールドベルグ変奏曲」です。あのテンポと音がどうしようもなく緩くなっている気持に合うのでしょう。このままず─っと惰眠の世界で過すのも悪くないかなと生来の怠け者は思っています。
近寄って欲しくない事柄がたくさんのこの頃ですが、こんな思いがけない敵もいることを知らされました。皆さまもお気をつけ下さい。