館長の中村桂子が、その時思うことを書き込むページです。月二回のペースで、1998年5月から更新を続けています。
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【台風9号でちょっとした騒動】
2007.9.18
夕方帰ってみると、東京電力と植木屋さんの車が止まって、電線を直したり、木を切ったり。一日がかりの片づけ仕事のようでした。そんなすごい風だったのかなあと思っていたら、新聞に「朔太郎の座敷、倒木で壊れる」とありました。前橋で深夜から未明に15mほどの松の木が倒れ、萩原朔太郎の生家を移した記念館の屋根が壊れたのだそうです。まさに同じ頃です。家は屋根でなくてよかった。 そういえば、林を歩いていれば始終倒木に出会います。苔が生え、そこに落ちた種子は光も養分も水分も充分なのでよく育つ。自らが倒れて次世代を育てるわけで、まさに世代交代の象徴と教えられてきました。ところが、今まで身近にある木をそういう眼で見たことはありませんでした。武蔵野の雑木林の中に人間が入りこんだわけで、倒木もあって当然なのだと初めて気づいた次第です。毎年きれいな黄色の花をつける槐も、寿命だったのでしょう。実は、その花、散ると道いっぱい眞黄色になり、きれいだけれどお掃除が大変でもありました。もうお掃除しなくていいんだと思うとホッとするような悲しいような。槐に御苦労様とねぎらいの言葉を送ります。 【中村桂子】 ※「ちょっと一言」へのご希望や意見等は、こちらまでお寄せ下さい。 |