館長の中村桂子が、その時思うことを書き込むページです。月二回のペースで、1998年5月から更新を続けています。
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【クゥもナヌーもこちらを見つめて何か言いたげです】
2007.9.3
−50度にもなる氷の世界、想像しただけで凍りそうですが、それが彼らの楽園なのです。ところがこの30年間、10年間で10%づつ氷が減り、時速100キロものブリザードが起きるなど気候が荒々しくなってきました。最後の「このまま行くと2040年には北極の氷はなくなっているのではないか」という文字はやはり恐かったですね。 それにしても、生きものっておかしな存在ですね。セイウチなんて、なんであんなに大きな体にならなければいけなかったんだろう、もっと身軽なら変化への対応もしやすかろうにと勝手に思いますが、セイウチはセイウチとして、なんで私たちがこんな思いをしなければならないのだなどとは思わず、とにかくけんめいに生きているわけです。そのセイウチが生きにくい環境を作ってしまってはいけない。もちろんナヌーの暮らす場所を奪っちゃいけない。この夏の連日35度を越える暑さにも参りましたし。考えなければいけませんね。 新しい内閣も、経済成長しか生きる道はないと言っています。でもそれは違うんじゃないでしょうか。もっと賢い生き方がある、生きる基本に戻った生き方があると思うのです。 【中村桂子】 ※「ちょっと一言」へのご希望や意見等は、こちらまでお寄せ下さい。 |