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中村桂子のちょっと一言

館長の中村桂子が、その時思うことを書き込むページです。月二回のペースで、1998年5月から更新を続けています。

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【季節を感じるのもなかなか難しい】

2006.10.16 

中村桂子館長
 研究館に来館してくれた高校生たちが揃って黒い冬服。まだ陽ざしが強く日中は暑いので、半袖のシャツに裏無しの上衣で過していましたが、そうだ衣替えなんだと思いました。以前は(若い頃はということかもしれません)、季節の先取りをして、秋の声を聞けば(立秋は8月ですから実感はまったく違うのですが)どこかに秋を意識し、時には暑さも我慢したものです。最近は、体の求めるまゝになってしまっているのを、高校生の制服を見てちょっと反省しました。
 少し言い訳をするなら、季節の方も少々だらしなくなっているように思います。花に詳しい友人が、“キンモクセイは東京では10月1日に咲くものときまっているのに、今年は9月20日頃に開いてしまった。こんなことは未だかつてないこと”と言っていました。確かに我が家のキンモクセイも9月20日頃いっせいに咲いて、甘い香りを漂わせました(今年は去年ほどきれいではなかったのが残念でした)。サクラなどは気候の変化によって毎年開花日が変るけれど、キンモクセイは変らない。少なくとも昨年まではそうだったのに、何が起きたのかしらと友人に問われても・・・わかりません。
 季節がなくなってきたのは食べものも同じですが、さすが果物はまだまだ季節を感じさせます。ぶどう、柿、梨・・・。夕飯の買い物に出るとつい買いこみ、いつもより重い袋を下げて帰ることになります。でも今食べないと。今日は栗を買い、栗御飯にしました。これは皮をむくのがちょっと面倒。実はプチ包丁でむいている時、つい手が滑って左の親指にケガをしました。小さなケガですが指先のケガは不便。左手なのでまだ助かっていますけれど。栗御飯はおいしくいただきました。


 【中村桂子】


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