【なんだかおかしい】 | JT生命誌研究館

中村桂子のちょっと一言

館長の中村桂子が、その時思うことを書き込むページです。月二回のペースで、1998年5月から更新を続けています。

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中村桂子館長

　「お暑いですねえ」とは、夏の挨拶ですが今年はこの言葉を気軽に口にできません。あまりの暑さに“なんだかおかしい”という気持があるからです。今は科学の時代。この“なんだかおかしい”は表立った意見にはなり得ないので困ります。でも本当は、私たちの日常はこれで成り立っているのではないでしょうか。食べものを口にする時なんだかおかしいと感じるとか、道を歩いていて向こうから来る人の様子がなんだかおかしいと思うとか・・・それで日常の危険を避けているのです。これを大事にしなくなったためにそれこそなんだかおかしい世の中になってしまっているのではないか、そんなことを感じて最近書いたものです。二つ共外で発表したものですが、どちらも地域が限られているので、違う場所の方にも読んでいただけたらと思い使わせていただきます。一つは中日新聞（７月２６日　時のおもり）、もう一つは信濃毎日新聞（７月１９日　月曜評論）です。
　
　
　【中村桂子】

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