館長の中村桂子が、その時思うことを書き込むページです。月二回のペースで、1998年5月から更新を続けています。
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近所の方から、家の庭の松の枝が伸びすぎて富士山が見えなくなったと言われ、慌てて切ってもらいました。「お台所の窓から富士山を眺めながらお料理するのを楽しみにしてきたので勝手を言いました」とのお礼にホッとしたところです。年に一回手入れをしていれば、そんなご迷惑をかけることはなかったのに・・・。とにかく今年は変です。緑が茂りすぎだとお思いになりませんか。松の先を切ってくれた植木屋さんも、今年はこの時期にメチャクチャ忙しいんですと言っていました。家の庭もおおげさに言えば密林風ですし、近くの林に犬の散歩に出かけたお隣の奥様が、普段はそこから家の屋根がみえるのに今年は隠れてるとおっしゃるし。もちろん草も元気・・・。緑が茂るのはよいことのように言われますがちょっと気味悪くもあります。正直言って先回書いた“ちょっとやりすぎ”という感じそのものです。私は2月から3月頃、ほんの少し芽吹いた時の緑が好きで、真夏になって街路樹が覆いかぶさるように茂ると圧迫感を覚えるところがあり、熱帯には暮らせないかもしれないなぁと思ってきました。ですから今年の緑が6月からこんな状態なので大変だぁと思っているわけです。しかも、梅雨というのに雨の降り方はスコール風ですし、台風は近くの海で次々と発生しますし、晴れ間は日傘をさしていても肌をさすような陽ざしですし。植物が変化しているのは、何か生きものにはたらきかける因子ー情報もあるでしょうし、物理的、化学的なものもあるでしょうーがいつもと違っているということでしょう。人間は鈍いので、おかしいですねぇくらいですませていますけれど。何なのでしょう。教えて下さい。
【中村桂子】
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