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中村桂子のちょっと一言

館長の中村桂子が、その時思うことを書き込むページです。月二回のペースで、1998年5月から更新を続けています。

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【BRH cardsができました! 是非活用して下さい!!】

2002.7.1 

中村桂子館長
 生命誌カード33ができ上がり、これまで季刊「生命誌」をお送りしていた方にはお送りしました。幸いこれまでの雑誌よりたくさん出せますので、どうぞお申し込み下さい。お送りします。ちょっとした“お楽しみ”も入っています。そして、このカードを案内役として、ホームページの中の「生命誌ジャーナル」をお読み下さい。新しい挑戦ですのでよりよいものにして行くには皆さまからの応援 -- それにはまず読んで下さることです -- が不可欠です。私はディスプレイは苦手で紙で読む方が100倍くらい楽と思っている人間です。それが(自分で言うのもなんですが)かなり評判のよかった「雑誌」を止めて、Webを使ってみようと思ったのには、いくつかの理由があります。
 この変更の決定は、突然でした。最近は「研究者の説明責任」とか「子どもの理科離れ」とかいう話が浮上し、国の関わる機関や大学などがそのような活動として雑誌を出し始めました。その中の一つが送られてきた時、誰が見ても「生命誌」としか思えないスタイルに驚きました。もちろん内容はまったく違います。10年かけて積み上げてきたものには自信がありました。とはいえ、このスタイルでの雑誌を作り続けることはできない。とにかく新しい方法で行こう。その雑誌を見せて、皆に私の気持を伝えました。実は「季刊生命誌」については、生命誌のコンセプトを明確に出すにはどうしたらよいかを話し合って方法を考え、それが軌道の乗り始めたところだったので、最初は、ちょっと揺れました。でも皆の気持も同じでした。私たちは出版社じゃない。「科学の表現を探求する」グループなのだから次をやってみるよい機会だという方向でまとまりました。
 やるならWeb。でもメールマガジンではない。Webのよさは認めるけれど原則紙派である私としては、Webの欠点をなんとかしたかったのです。そこで、紙とWebを組み合わせるというこれまでにないやり方にしようと考えました。早速デザイナーを訪れるところから始まり・・・・・それからは新しいことをやる時のワクワクと悩み。ものづくりに落としていった工藤とデザイナー坂さんとの間のやりとりは大変なものでした。最初の成果としては納得のいくものになった、思い切って変えてよかった。カードづくりのやりとりの中では、時々悲鳴に近い声をあげていた工藤、Webの方の組み立てに挑戦した桑子を初め、原稿依頼とそれの組み立てを工夫した鳥居と高木など、皆の今の気持です。季刊「生命誌」のスタイル変更騒動記ですが、スタイルを変えた本当の理由は他にあります。それは次回に。

<ちょっと一言番外編>
 先回、稲本さんの「森を創る、森を語る」の宣伝をしましたので、今回は私の宣伝をさせて下さい。この欄でも何度か書いてきた映画「On The Way」が7月6日(土)から渋谷のイメージフォーラムで上映されます。内容その他は前の欄(2001年7月15日)をごらん下さい。映画館へ脚を運んでいただけたら幸いです。


【中村桂子】


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