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中村桂子のちょっと一言

館長の中村桂子が、その時思うことを書き込むページです。月二回のペースで、1998年5月から更新を続けています。

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【生命誌の衣替え (1)】

2000.11.15 

 生命誌の活動の基本の一つに置いているのが雑誌「生命誌」ですが、これもおかげさまでそろそろ30号です。手探りで、それなりの試みをしてきたことに対して、質が高い、美しい、洗練されているなどというお言葉をいただく一方で、難しいという声も少なくありません。この難しいという言葉は解釈がなかなか"難しい"のですが、なんとなくお気持ちは分かります。
 私たちが基本にしてきたのは、生命に関する科学を基盤にして広く生命について考えるということですが、その場合の科学は常に独創的。音楽で言えばモーツァルトやビートルズを対象にしようということでした。今後もその原則は守りたいのですが、それがペダンティックであっては生命誌の精神に合いません。難しいという反応はそのような傾向への批判かもしれないと感じており、来年から見直しをしようと思っております。狙いは"より日常的に"です。第一線の学問を扱うことを基本にしながら、より日常的にするにはどうしたらよいか。皆で話し合っています。もう少し詳しく次回にまたお知らせします。御意見をお寄せ下さい。



考古学が御専門の多々良松男さんから、生命誌を知って世界観が変わったというメールをいただきました。人間の歴史も、生命の歴史との連続の中で考えるとまた興味深いと思います。もちろん、人間特有のこともたくさんありますけれど。

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