季刊誌
2024.12.20
手作り味噌
大和康代
中村先生こんにちは。いつも頷きながら拝読しております。
今回のお料理は手で作りませんか?の一言…まさに私も同感です。香川綾先生のもと、大学での調理実習は、全て素手で行っていました。その中で手作り味噌は、みんなの常在菌がさらに美味しさを醸し出し美味しいお味噌になると聞いて、味噌玉を投げ入れていた記憶があります。
今は自宅にて、希望される方のお味噌作りを指導しておりますが、「お友達と二人で常在菌も一緒に仕込んでいきましょう!」と話しながらやっています。我が家の味噌も、私と主人とで作ったものと、娘が一緒に作った年のものとでは、味が違うと感じています。この冬も、また家族の常在菌と共にお味噌を仕込もうと考えています。
感染症の増加に伴い、衛生管理が厳しくなっています。大量調理の現場では、リスクを下げるためにビニール手袋の使用は仕方のないことかもしれません。
2024.12.20
1. 中村桂子(名誉館長)
大和康代様
香川綾先生のお名前に久しぶりに接しました。直接お教えいただいたのではありませんが生命科学を始めました頃に、女子栄養大の先生方に健康と栄養のことを教えていただいたので、香川先生のお考えを伺い、学びました。手がものをつくる時、おっしゃるようなそれぞれの手を通しての常在菌の問題もありますね。作る方によって味が違うというのは面白いですね。味わってみたいです。作る時に感じる触感も大事だと思うので、手がいいなと思います。感染症の問題は、手洗いの徹底で対処するのが本筋だと思うのです。生きものとしての人間を考えている「生命誌」としては、手を活かしたいのです。
中村桂子