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みんなの広場

生命誌について

2024.03.14

戦争しない

参照記事「研究館より」

孝至

国際連合は組織(国)の問題に力点を置いている。その為に温度差により争いが起こる。
仏教は個人の人格向上に力点を置く。争いは大きくならない、と理解しています。
戦争は無条件停止を理解できるか、が鍵(人格向上)である。

2024.03.21

1. 中村桂子(名誉館長)

考至様

 戦争はどちらも泥沼に入り込んでしまいました。どうなるのでしょう。一日でも早く止めるという選択しかないのに、それができません。今という時代に戦争を認め、勝負をつけるとすればこれしかないという方法は、人類の破滅につながります。勝負ではなく、戦闘を止めることを考えなければならないのに、一向にそれが見えません。

 私は、生命誌の中での人間について考え、生命誌の中の人間として行動するという日々を送っています。その中には、戦争という言葉はありません。「私たち生きものの中の私」、つまりホモサピエンスとしての私は、すべてを仲間とする存在であり、そこには多様性、違いはあっても、それを認めながら生きるのが、生きるということになります。戦争をする相手はどこにも見つからないのです。

 おっしゃるように、人格を磨くことは大事であり、そのうえで国際的な組織が行動するのがよいと思います。一人一人が人間としてよりよく生きることを考える人にならなければならないと思います。ただ、私の場合、「私たち生きものの中の私」として無理をせず普通に暮らすことが、戦争のない社会につながりますので、この考え方を多くの方と共有したいと、勝手に願っています。

                    中村桂子


2024.03.21

2. かも

戦争をしない、それこそが理想なのですが,昨今考えさせられるのは、結局国家間の紛争といえども,[浜の真砂は尽きるとも,世に盗人の種は尽きまじ」でしょうか。
それに付けて思うのは、連日のテレビなどで,防衛省の専門家や東大の学者が、悪いのはロシアだ、ロシアを許せば次はもっと凶悪な侵略が起きることを止めることが出来ないと言う論調で伝えられています。
ロシアが悪いから,叩き潰せという論理になんとも違和感を拭えないのです。
戦争において,悪いのは敵です。互いにどちら側から見ての,悪いのが彼らだという熱狂が戦争拡大し、ヒステリックに交戦を煽り立てて居る様を,過去の事例からも,将に日本が戦った先の戦争からも学ぶことが出来ます。
どんな理由であろうと,悪いのは断固として敵なのです。だから,断固として叩き潰すまで戦えというのは、戦争を煽り立てにる口実の典型でしかないのです。
今の日本で,あからさまに、それが語られるそのことになんとも割り切れない違和感を感じてしまうのです。
戦争をなくすことが出来ないとすれば,起きた戦争を止めることしか出来る手段はありません。
戦争している当事者に,侵略は戦争犯罪だと語りかけて,それで自軍が悪いと受け止める素地は全くないでしょう。
ロシアが始めた戦争だから,ロシアが悪いという説得は,ロシアには全く通じるはずがないのです。
それでも其の論理で戦争を止めるためには、相手を叩き潰して,完全に崩壊させるまで戦い続けるしかありません。
今起きている戦争をそんな風に収束させると考えるのは,間違いだと考えるべきではないのでしょうか。
ロシアが何故戦争を始めたのか。考えるべきは先ずそのことのはずです。
独裁者の狂気だ等と速断するのは間違いだと考えるべきです。
ローマ教皇が,領土の犠牲を払っても先ず白旗を揚げて,戦争を止めるべきだと発信しています。
白旗は,敗戦ではありません。互いに白旗を揚げて,戦争を止めて、対話を始める機会を作る。
そこから始めるしか似のではないでしょうか。
日本こそ,其の仕切りが出来る唯一の国だと考えます。
戦争を止めるのは,武力ではないからです。
理性と知性と深慮で解決を見いだすことこそが戦争を止める唯一の手段だと考えるからです。
悪いのはロシアだという論客を先ず沈黙させることではありませんか。
彼らの主張こそが間違いの本質だからです。

2024.03.21

3. 中村桂子(名誉館長)

かも様

 お書きになっていらっしゃること、まったくその通りと思います。その考え方が正しいか正しくないかというようなことは抜きにして、私も同じことを考えています。1989年、ベルリンの壁崩壊のところからの時間を追っていくと、世界全体が、あの時皆で歌った「第九交響曲」を心にとどめて、お互いを尊重しながら共存していく道を歩まなかった歴史が見えてきます。シラーの「Freude」(喜び)を「Freiheit」(自由)にしたのは、一人一人が自由、人権を手にする世界をつくろうという気持ちを込めてのことでした。ここからの35年を振り返ってすべてを書くことはしませんが、誤った道を歩いてしまったのは残念です。

 あの時ああなっていればと思うことがたくさんありますが、それを言っても仕方がありません。今できることをやるとすれば、お書き下さったことになると思います。武力での決着は人類の破滅につながりますから。

 思うことはたくさんありますが、書いたら一冊の本になるほどの量になりますので、私と同じ気持ちを見事にまとめて下さったことにお礼を申し上げて終わります。
                           中村桂子

2024.04.03

4. かも

大変鄭重なご回答を頂き心より身も引き締まる思いで感動しております。
21世紀、最早平和は,武力によっては絶対に達成出来ないことが現実になっていると考えざるを得ません。
ありがとうございました。

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