生命誌について
2024.01.17
ゴミを土にする暮らし
やっちゃん
「生きる」ということを考えさせられる年の始まりでした。
自然災害がきっかけで、私たちが住む社会の脆弱な部分がはっきりと目に見える形で現れ、その解決を迫られる日々です。
大きな災害ではなくても異常潮位で道路が冠水したり、降雨が減って家庭菜園の野菜が枯れたりと、毎日目に見えるところで困ったことは続出です。その細々としたことに向き合いながら、さあ大災害が起きたときにどうするか。これまで水や保存食の備えは意識してきましたが、ご指摘のトイレ問題は‥。毎日の事なのに、総てシステムまかせでいざとなったら「大きなゴミ」として処理するしかありません。ここを考えてみようという提言ですね。
どうしたらよいのでしょう?正直すぐ思いつく方法はありませんが、とりあえず土に埋めて自然に戻すのでしょうか?場所の問題や冬季の積雪などや臭気や衛生面のことなど、考えれば問題が次々です。自力では到底無理。頼れるものは無いでしょうか?
そこで、偉大な分解掃除屋である微生物の登場でしたね。彼らの働きを借りて、し尿糞便を無臭に分解することが出来れば集積箱(のようななもの)へ集めて最終処理へ。最後は土にして大地へ戻すことが実現できればいいなと思います。
毎日の暮らしの中で、必要なモノは最小限にして過剰にならないように備えたり、利用後の廃棄物もできるだけ自前で処理したり少なくして、ゴミを大量に出す暮らしから脱却したいと考えた年頭の投稿でした。
今年もよろしくお願いいたします。
2024.01.24
1. 中村桂子(名誉館長)
やっちゃん様
お考えくださってありがとうございます。
おっしゃる通り、微生物にお願いすることでしょう。個人で処理はできません。今、いわゆるバイオトイレと呼ばれる商品はたくさん出ています。技術もだいぶ進んできているように思います。ただ、山で使うなど、特別仕様とされ、通常は水洗に決まっているでしょうというのが多くの方の捉え方です。そうではなく、有機物処理は微生物の仕事でしょうという本来にもどって考えるのが、地球沸騰から抜け出す21世紀社会のありようではないでしょうかというのが、ここで考えたいことなのです。その気になれば可能なはずですから。
それには、一人一人が社会の出来事を「自分事」として考えるようになる必要がありますけれど。
中村桂子