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2024.01.23

「脱炭素社会」という日本語には人間の目指す意図があるか

参照記事「研究館より」

野菜畑のどんぐり

●「脱特殊詐欺社会」という「目標社会像」は,「脱炭素社会」と同様、人間の目指す社会像には、理路上なりえないです。「脱虐待社会」もです。
目指す社会像は、○○の“ある”社会でないと。

●水素という、誰もが知っている名称と、Oと結合すると、こうなる、という、人の細切れ知識も利用して、地球上に弊害を生み出そうとする試みだと思います。CO2排出を減らすために、減らすための道具を使おう、という掛け声ではありませんか。結果としては、、減らした量のCO2排出量を上回る量のCO2が排出されことになると、私は思っています

●ご紹介いただいた、原美術館には廃館になるまえ、入館しました。絶滅種のこととか、国境地帯のことも知りました。

2024.01.24

1. 中村桂子(名誉館長)

野菜畑のどんぐり様
 「脱炭素」については、おっしゃるように「脱」という言葉にも問題がありますが、生命誌としては、それ以上に「炭素」に関心があります。「炭素でできているのが私たち生きもの」であり、炭素の活用に知恵を働かせるのが筋だと思うからです。今年は「生きものとしての人間」の生き方を考える年と思っているのですが、その中での重要課題の一つが「炭素」です。炭素を巡る課題はたくさんありますので、皆様が関心をお持ちの事柄をお教えいただき、考える素材にしたいと思います。事柄を炭素を考えるということは、水素は違うでしょうということでもあります。世界中の“賢者”が水素社会を創ろうとしているので、私の全く知らない化学があるのかしらと気になりますが。
 原美術館、無くなって残念です。絶滅種、国境地帯をテーマにした展覧会は、銀座エルメスビルで、「La vita Nuova---新しい生」として1月28日まで行われています。こじんまりした空間ですが、とても意味深いメッセージになっていると思いますので、是非いらして下さい。
中村桂子

2024.02.06

2. かも

最近ENDの木質バイオマス研究者と話をする機会があって私は、これ絶対反対だという話をしてきました。
究極の環境破壊だからです。
先日、名古屋近傍の木質燃料と石炭を混焼する発電所で爆発的火災を発生する事故がありました。
出力は104万kwで日本最大だと言うことです。
どれだけの混焼率か不明ですが、木質燃料だけでそれだけの発電をしようと考えると、,1時間に1000トンを超える木材を燃やさなければならなくなります。1日2万4000トン、年間8080万トンもの木材の燃料が必要です。
ものすごい量の木材を燃やしてしまうのです。
ナイル文明もメソポタミア文明も黄土文明も豊かな緑に覆われた地域で営まれていたことが知られています。
それが砂漠になってしまったのは、地域の人口が増加し生活に必要な燃料を地域で薪炭材を伐採したことに始まると言われています。
太陽光発電もそのパネルの下では植物は育ちません。
どれほどの風車を設置しても人類が使用するに足る発電量を確保することは出来ません。
つまり、バイオマスでエネルギを賄うことは出来ないのです。
脱炭素我が成立しないのです。
自然界のカーボンサイクルの中では、余剰のカーボンはないのです。
余剰なカーボンは化石燃料だからです。
人類が安定的に消費出来る次世代は、天然ガスです。
天然ガスは常在ガスで常に自然界で日々生産されて地上に放散されているガスです。
採掘は地下からされますが、それもいずれ地上に放出されるガスです。
しかも温暖化効果が炭酸ガスの30倍もあります。炭酸ガスの排出を止めるより天然ガスを燃やす方が温暖化抑制効果が大きいのです。
ロシアで大量に産出されます。
戦争など止めて天然ガスを売ればそれだけで経済大国になれるのです。
其の議論を進めてください。


安定的に必要量を確保出来るのは,天然ガスです。

2024.02.06

3. 中村桂子(名誉館長)

かも様
 これまで拡大一辺倒できた現代社会の見直しの基本は、エネルギー問題です。「地球上のエネルギーは、太陽から降り注いだものであり、これを上手に活用し炭素循環の継続する中で生きる」工夫をすることです。核分裂は廃棄物処理ができませんし、小さな太陽をつくる核融合はとても難しそうですから。
 科学の知識をフルに活用しての、上にあげたエネルギー問題への挑戦は、やりがいのある仕事だと思いますし、答えはこれしかないと思うのですが、「脱炭素」とか「水素社会」などと言うばかりで解決への道を歩こうとする動きが見えないのは何故でしょう。。
 地球史の中で炭素化合物として蓄えられた太陽の恵みはありがたいものですが、それらはすぐに二酸化炭素にはせずに、炭素化合物としての利用を原則にするのが筋ではないかと思います。メガソーラーで電気をつくるのは本当の太陽の利用ではないでしょう。自然の動きをよく知り、その中で謙虚に生きるのが本当の賢さだと思うところから始めたいものです。
 さまざまな問題があって短い文では意を尽くすのが難しく、誤解されそうですのでここで止めますが、今年はこの問題を考え続けるつもりですので、ご一緒に考えていただけると嬉しいです。
                        中村桂子

2024.02.20

4. かも

中村先生、鄭重なご回答を頂きありがとうございます。
先日エネルギー関係の展示会があって一日見て回ってきました。
全く低調で希望を感じさせるものは何もありませんでした。

或いは既にご覧になっているかも知れませんが、是非一度ご覧になって頂きたいアニメがあります。
昭和42年、1月末から2月に、2回に分けて放映された、日本テレビの素晴らしい世界旅行、[第五氷河期」という番組です。
当時漸く、温室効果ガスとして炭酸ガスが話題になった時代に、ノーベル賞学者の真鍋先生の原案を元に作られた、当時としては画期的な温暖化予測の番組です。
50年以上も前のアニメですが、今起きていることを全く完全に予測していて、それを見た当時から忘れらず記憶に残っているドキュメンタリーです。
ネットで調べたところ、茨城県龍ケ崎市の市立中央図書館で今でも、VHSの動画が見られるようです。
そのほかにも、映像アーカイブはあるようですが、一般には公開されておらず、そこしか見ることが出来ないようです。
何らかの機会があれば是非一度ご覧になってください。
で、この物語の結末は、温暖化により海水温が上がり、冬場の豪雪で氷河が成長し、遂には、極冠から氷に覆われて、氷河期が訪れて、唯一エスキモーなどの限られた人類史か居残れなくなるというものです。
最後には其の氷も溶けて、歌旅太陽が差し込むところで物語は終わっています。
今の温暖化説と違うのは、海水温が上がって、巨大な低気圧が発生し、その低気圧の下では気温が下がりさらに水蒸気の蒸散が増加して限りなく大きな雲に覆われて氷河が生成されるという点です。
将に今年の冬に起きている現象を其の儘予測しているのです。
私も、温暖化の熱エネルギーは海に蓄えられるだろうと考えていますから、寧ろ全くその通りだと共感出来る内容でした。
番組は、日本テレビ日曜日夜7時半からの「素晴らしい世界旅行]という番組で、プロデデューサーは、牛山純一という番組です。
是非一度ご覧になってください。

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