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みんなの広場

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2023.10.03

平和について考える、読ませていただきました。

参照記事「研究館より」

かも

私は、今から20数年前に仕事で、某CIS国で一年を過ごしました。ソ連が崩壊してまもなくの頃で国は混乱で貧しさの極限に追い込まれていました。その再建という目的もあっての訪問でしたが、日本人を全く見たこともない地域でバザールに行くと、そこにいる全ての人たちが一斉に私たちを見つめている視線を感じるような雰囲気でした。
其れでも生活環境は平和そのもので、純朴な人たちに支えられて生活でも行動でも全く不安顧問難もありませんでした。全く言葉もわからずに、乗り合いタクシーで単身でぎゅうぎゅう詰めになって何処へでも出かけることが出来ました。
帰りは国営企業である会社名を言うと誰もが親切に案内してくれたのです。平和を実感した瞬間でした。それでもその地域は治安が悪く、国内では誰も行きたがらない地域だと後で聞きました。
ホテルで、朝食を一緒にした日本の学者さんが、後日、近隣の国で殺害されたと聞いて改めて危険だったんだと感じたのは帰国してからでした。
その生活の中で、一番記憶に残ったのは、ソ連が解体して、取り残されたロシア人たちの存在でした。彼らはロシア語しか話さず、本国から派遣されてその地域のトップの要職に就いていた人達です。其れがソ連崩壊で、一瞬にして職を失い社会の最下層に追い込まれてしまったのです。加えて、公用語であったロシア語も使えなくなり子供たちは、学校でロシア語を教えられなくなって現地の母語を教えられるようになってしまったのです。そのロシア人の比率は6%くらいでした。
ウクライナでも、東部地域では60%のロシア人が取り残されてしまったと聞いています。そのロシア人が、迫害を受けていたと聞きます。そこに反ロシア系の大統領が現れてさらに不幸な状況が生まれてしまいました。日本では、侵略したロシアが悪いと誰もが語りますが、大きな疑問を感じています。戦争は常に、敵が悪いのです。

2023.10.04

1. 中村桂子(名誉館長)

かもさま
 大変な体験をなさったのですね。でも、同じ人間として誠実な態度で接しておられたので、土地の方も親切にして下さり平和を実感なさったとのこと、よいお話をありがとうございます。
 人間同志、本来敵はないはずですのに、わざわざ敵をつくるのは何故なのでしょう。そこで戦争を始めれば、相手は悪い人、憎むべき人になってしまうのですからおかしな話です。多くの場合、個人としては憎んではいないのに。
 平和など理想に過ぎない、現実を見ろという言葉は、本質的に間違っていると生命誌は教えてくれます。それを言い続けるしかありません。求めているのは、当たり前の暮らし、つまり日常だということも。最近強く思うことです。
                  中村桂子

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