生命誌について
2023.09.24
心の平和について考える
しお
記事を拝読し、私は心の平和について考えました。
私は子供の頃から「自身の肩書き」や「周りの人を下げること」で自らの存在価値を求めようとする人がいること、そしてそのような人の周りには「長いものに巻かれる人」が集まることを目にしてきて、その価値観や生き方に疑問を抱きました。
ニュースを見ると世の中ではいつまでもこの現象が続いていること、過去が繰り返されていることがやるせなく思います。
戦争やいじめなど、故意に人を傷つける行動をとる人は自身の発達の過程で辛い経験があったのかもしれません。
それでも故意に人を傷つけることはあってはならないし、何か辛い経験をしたとしても自分の代でその連鎖を断ち切らなければなくならないと思っています。
戦争もいじめも動機は同じで他者を傷つけて自分の欲しい何かを奪おうとし、自らの心の安定を得ようとすることではないかと思います。
そんなことをしても心の安定、平和は続きません。他にも選択肢は沢山あるはずなのに、どうしてたくさんの悲しみを生む選択を繰り返すのでしょうか。
人間は一生命体のひとつであり、土地や資源などは人間社会の取り決めの中で自分のものと勝手に主張しているだけで、自分のものではないはずなのに何故こんなに思い上がってしまうのでしょう。
苦しさや不安を素直に伝え、助け合えるように人間が発達していかないのはなぜでしょうか。
人間が生命であることを認識し、心の平和を保って生きていくにはどうしたらいいのか、どんな方法であれば他の人にも活かせるのか、考えを共有し、深めたいと思います。
2023.09.29
1. 中村桂子(名誉館長)
しおさま
私も同じように考えながら暮らしてきました。子どもの頃から競争を求められず、できることを一生懸命やるんだという気持ちでいることができたのは幸いでした。
そして今、生命誌は、人間は生きものの中でむしろ弱い存在であり、それだからこそ皆で協力する生活様式を創り出したのだということを教えてくれます。人間の赤ちゃんは恐らく動物の中で一番弱い存在として生まれてくると言ってもよいのではないでしょうか。私たちはそういう生きものなのですから、皆で力を合わせて生きていきませんか。単純にそう思っています。戦争なんて何の意味もないですよねと思いながら。これからも、生命誌で考えて行こうと思いますのでご一緒によろしくお願いいたします。
中村桂子