生命誌について
2021.03.05
私と今あわせ
Teru
赤ちゃんのことばの獲得の過程で、時間の概念を獲得するのは、3歳ごろからです。
時間に先んじて『数』の概念も芽生えますが、諳んじることの方が先で、1・2・3(たくさん)まではわかってもそれ以上がわかるようになるには、5歳を待たないといけないようです。では、時間はどうか?未来はどうか?まず子どもたちは過去にあった忘れ難い思い出を再現するところから始まります。毎日出会うたくさんの出来事を体験しながら、「ことば」で過去を蓄積していきます。昨日、今日、明日という言葉は、4歳になってもユラユラしているようです。ことばの助けを借りつつ過去を蓄積しながら、かけがえのない「私」との遭遇が、3歳ごろなのでしょうか? かつて或る先生から、子育て中のお母さんたちに「赤ちゃんが今合わせをするのはいつですか?」と質問されたことがあります。過去の蓄積が自分を刻み、相手を想像し、未来を想像して、そしてそこからさらに見えない世界を今に重ね合わせて生きることができるためには、「私」を見つけ、「今」を見つけることなのでしょうか。ヒッポファミリークラブで、仲間と一緒に多言語の活動をしています。世界を視野に古代の人とも「音」と「イメージ」を共有しながら、同じ人間であることや繋がっている「私」と「今」を感じるのは、尽きることのない喜びと未来に向かう力を感じます。コロナの時代を越えて、いかに生きるべきか?3月20日中村桂子先生を迎えての講座を楽しみにみんなで準備しています。タイトルは「他人ごとはどこにもない、いのちの繋がりで考える」。
2021.03.05
1. 中村桂子(名誉館長)
このところ社会を動かす人たちの言動が自分中心であることが目立ってきましたから、人間は私たちを意識できる存在であり、それは言葉を持ったことと深く関係していると思います。つまり「他人事」はないというのは今人間を意識する時大切な視点だと思っています。