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表現スタッフ日記

展示季刊「生命誌」を企画・制作する「表現を通して生きものを考えるセクター」のスタッフが、日頃に思うことや展示のメイキング裏話を紹介します。月二回、スタッフが交替で更新しています。

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【人間っていいな。】

2018年2月15日

川名 沙羅

毎日寒いですね。私はお風呂に入ると文明のありがたみを感じ人間に生まれてよかったなと思います。仕事をしていても、人間っていいなと思います。ものづくりはたいてい一人ではできません。たくさんの人の力を借りて、頭の中に思い描いたものを形にすることは、人間ならではの楽しみではないでしょうか。

昨年12月、細胞展の新しい映像作品が完成しました。1ミリの100分の1ほどの小さな世界を大きく映し出し、あなたの中で生きるひとつの細胞を表現したプロジェクション・マッピングです。研究の現場では細胞内の特定の分子を染める技術と新型顕微鏡によって、生きている細胞内部の様子が日々明らかになっています。研究で見えてきていることを、誰もが「そうか細胞が生きているってこういうことなのか!」と感じ、考えることができる美しい作品にするため、クリエイターの方々と試行錯誤を重ねました。知識の断片を集めても、物語にはなりませんので、最後は自分が細胞の気持ちになり語りをつくりました。

CGを描く、音楽をつくる、ナレーションを録音する、木を加工して什器をつくる。たくさんの人の手を借りてひとつの作品が形になりました。人間っていいな、生きているっていいな。うれしい気持ちも、悲しい気持ちも、小さな細胞から生まれてからだの中に響くのだと思います。細胞は本当にすごいです。是非、新しい作品を見に高槻にいらしてください。

[ 川名 沙羅 ]

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