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表現スタッフ日記

展示季刊「生命誌」を企画・制作する「表現を通して生きものを考えるセクター」のスタッフが、日頃に思うことや展示のメイキング裏話を紹介します。月二回、スタッフが交替で更新しています。

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【年刊号『変わる』にまつわるエピソード】

2014年2月3日

藤井文彦

今月の15日に、年刊号『変わる』を発行しました。ご存知の通り、年刊号は季刊『生命誌』の1年間分を書籍としてまとめたものです。季刊『生命誌』のエッセンスはBRHカードとして、より詳しくはWebジャーナルとして読めますが、テーマに沿って全体を俯瞰できる書籍は、一味違った趣きがあると感じます。

そこにご登場いただいた方のうち、担当した6名の方の取材を振り返ってみました。着任前に初めて挑んだ池谷先生の取材では、ご自身も多数の書籍を出されているためか、取材に対する逆取材を受けました。近頃では極めて珍しく、単著で『Nature』に論文を発表された鎌倉先生は、研究への情熱があり過ぎるためか学生が寄り付かないと嘆いておられました。初めは取材をご遠慮されていた磯貝先生は、関係者にご配本いただくために50冊近くもお買い上げいただきました。2006年に『Cell』の論文を読んで以来、まさかお会いできるとは思わなかった近藤宣昭先生は、喫茶店で珈琲を飲みながら冬眠の奥深さを語ってくださいました。音楽とイタリアでの楽しい経験が豊富な谷口先生には、研究の歴史を語っていただくのが大変でした。写真家・大西さんの協力のもと、浅島先生にはイモリの水槽を挟んで素敵な1枚を撮らせていただきました。

書籍の装幀では、鷺草デザインの尾崎さんと上野さんにご活躍いただきました。最初は建築家・隈研吾さんに因んでカバーに竹の模様を利用し、生命誌絵巻と生命誌マンダラの図柄が「変わる」仕掛けを作ろうと思っていました。カバーを外した時のデザインなどを考えた結果、最後はレンチキュラーを使って生命誌マンダラの階層が「変わる」表紙となりました。さて、季刊『生命誌』の号数が少ない来年度はどうしよう。少しずつ次のことが気になり始めている今日この頃です。

[ 藤井文彦 ]

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