展示や季刊「生命誌」を企画・制作する「表現を通して生きものを考えるセクター」のスタッフが、日頃に思うことや展示のメイキング裏話を紹介します。月二回、スタッフが交替で更新しています。
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ありがとう、エンピツくん!
2013年9月17日
展示ガイドスタッフの前田です。ここ最近はめっきり涼しく秋らしくなりました。季節の変わり目ですが、みなさんはいかがお過ごしでしょうか。
さて、去る8月15日未明に、当館の人気者だった南米肺魚のエンピツくんが永眠いたしました。一般に飼育下での肺魚の寿命は十数年であり、当館では飼育をはじめて15〜16年たっているため、エンピツくんは天寿を全うしたのだろうということです。およそ30分に一度しか(外)呼吸しないため、エンピツくんが水面に上がって口を開ける姿を偶然見られると、来館者の方々も興奮して観察してくださいました。少しブサイクだけれどそれがまた可愛らしく感じられたエンピツくんに、ガイド中はずいぶん助けられたと思います。
さて、当館に飼育展示されている(生きている)動物は、肺魚とナナフシがいます。もちろん動物は本来自然の中で生きるものであり、その生き様を十分発揮できない檻の中で生きることは、動物にとって本望ではないかもしれません。しかし、研究館の展示物として多くの来館者に見て頂き、何かを感じてもらうことは、野生の動物には決して出来ません。エンピツくんが、そのような「役割」を担って生きることができたのは、少し幸せだったかもしれないと私は思います。もちろん、飼育しているからにはそれを無駄にせず、ガイドとして少しでも多くの来館者に生き物の魅力を伝えたい。動物を飼育する責任を感じながら、今後もガイドの仕事に精進したいと思います。
さて、そんなエンピツくんの2代目が、先日やって来ました!先代のものより小さいですが、同じ南米から来た種です。どうぞ2代目エンピツくんを見に、研究館に足をお運び下さい。