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表現スタッフ日記

展示季刊「生命誌」を企画・制作する「表現を通して生きものを考えるセクター」のスタッフが、日頃に思うことや展示のメイキング裏話を紹介します。月二回、スタッフが交替で更新しています。

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【いいえ、合成ではありません。】

四季デザイン 田端健一 はじめまして、四季デザインの田端健一と申します。季刊「生命誌」のデザインリニューアルから、こちらのサイトに関わってきました。年4回行われる記事の追加更新が主な業務になりますが、最近はサイト全体のリニューアルに向けて、あーでもないこーでもないと、考えを巡らせる毎日です。季刊「生命誌」の最新号の追加作業は、まず編集担当の方々との打ち合わせに始まり、写真や図版を整理・追加してテストページに記事をおこし、チェック→修正→チェック→修正→チェック…という地道な工程を経て、いよいよ公開にいたります。
 この作業には65号から携わってきました。イラストは、提供された素材に手を加えたり、BRHカードで図工室の坂さんがデザインした図を部分的に活かしながら新たに描きおこしたりして、私が作成しています。常に学術的な正確さが要求され、簡単に仕上がるイラストもあれば、著者のチェック後に大がかりな修正をする場合も多々あります。
 今回のカイメンのリサーチの最後に挿入された図版が、なかなかの難産でした。ポイントになる部分を理解したうえで作画したつもりでしたが、著者の船山先生からも表現の仕方について誤りをご指摘いただくことになりました。骨片のほんのわずかな大きさの違い。各分化細胞の配置。骨片運搬細胞の表現方法。線の付け方や色分け。幾度かの修正を重ねてOKをいただくことができました。
 その他、楽しくも難しい作業のひとつが、BRHカードのおまけペーパークラフトの紹介ページです。手元に届いたできたてホヤホヤのおまけを組み立て、毎号ごとに異なるモチーフの面白い見せ方を考え、自ら撮影しています。昨年度のおまけのモビールシリーズは、糸で宙づりにするため不安定で、見せ所がバッチリおさまったショットがなかなか得られず、難しい撮影に毎回苦労しました。68号は連写で何十枚も撮影した中から、アブラムシの重なりがもっとも「ベター」と思われるものを選びました。67号のイチジクは「下に垂らした糸が弧を描くように」とのリクエストがありましたが、現実にはそれは不可能だったので、実は撮影後に画像を加工して手描きの線を合成しています。先日公開した最新刊の70号では、初めて野外ロケを敢行しました。ヒヨケザルが滑空しているように見せるために、棒の先に紙ひこうきを固定し、それをカメラの前に保持して植え込みの前を走りながら撮影。シャッタースピードを変えて何度も試し、なんとか満足のいくカットをおさめることができました(合成かと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、間違いなく一発撮りでございます)。
 このように苦あり楽ありの季刊「生命誌」の更新ですが、最新の研究成果をもとに書きおこされた記事を一足先に読ませていただけるという役得もあり、とても楽しく充実した気持ちで制作させていただいています。さてさて、次回のカードのおまけはいったい何だろう、どんな撮り方をしようかな…。

 [ 四季デザイン 田端健一 ]

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