展示や季刊「生命誌」を企画・制作する「表現を通して生きものを考えるセクター」のスタッフが、日頃に思うことや展示のメイキング裏話を紹介します。月二回、スタッフが交替で更新しています。
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【良い緊張】
先日、季刊生命誌68号を発行し、今は2011年度第一弾の69号の企画に取り組んでいます。昨年度後半は村田、板橋、遠山の3人しかいませんでしたが、展示案内スタッフとして、生命誌を語る経験を積んだ吉川さん、齊藤さんが季刊誌の編集にも意欲的に取り組んでくれたおかげで無事乗り切る事ができました。10月に館を離れた今村さんが後のことを考えて二人を季刊誌の編集に巻き込んでくれたおかげです。 先日、69号のサイエンティスト・ライブラリーの取材を終えて、今編集中です。サイエンティスト・ライブラリーを編集するにあたって、2回の取材を行います。1回目は2〜3時間程度、取材先の先生に、生い立ちから研究の日々を伺い、2回目はカメラマンの大西成明さんも同行しポートレイト撮影を行います。1回目と2回目の現場では、違う緊張を味わえます。1回目は、記事に必要な内容を聞き出せるのかなどの不安から生まれる緊張です。もちろんその不安をなくすために、事前に先生のプロフィールやお仕事を調べて時系列に並べ、どのような人生を展開されたのかのイメージをつくっておくという準備は怠らないようにして当時にのぞみます。2回目は、写真撮影への緊張です。大西さんにスムーズに写真撮影を行ってもらうために気を配りつつ、記事に必要な情報をご本人から聞き出さないといけない。大西さんと先生との間に入り、二人の状況に神経を研ぎすまして自分のやるべき仕事を進める。緊張します。初めて写真撮影に同行した67号(吉田賢右先生)は、全てが初めてで、何をサポートして良いのかもわからずに右往左往・・・とても情けない思いをしました。最近は少しずつ馴れてきましたが、毎回現場の展開が違うので油断はなりません。 緊張にも良いものと悪いものがあり、良い緊張は、普段よりも感覚が研ぎすまされ、普段の実力以上が出せるものです。どちらが出るかは、入念な準備と経験によって決まるような気がします。その二つがまだまだ未熟であり、失敗をやらかすことが多い私の今年度の目標は、「良い緊張を保ちながら仕事をする」こと。頑張ろうと思います。 |
[ 板橋涼子 ] |