展示や季刊「生命誌」を企画・制作する「表現を通して生きものを考えるセクター」のスタッフが、日頃に思うことや展示のメイキング裏話を紹介します。月二回、スタッフが交替で更新しています。
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【編む・めぐる】
うれしくなる声が寄せられています。ご意見・ご感想ハガキをBRHカード65号に同封したところ予想以上に多くの読者の方々がこれを活用して下さり、生命誌への思いを綴ったお便りが、毎日、BRHに届けられます(小さな通信欄の枠をおかまいなくはみ出したり、ワープロで打ち出して貼り付けて下さる方も・・・)。お便りを拝読していると、季刊誌の内容に関することだけでなく、それぞれの方が、ご家族と共に、お仕事の中で、どのように楽しまれているのか、どのようなきっかけで研究館を知ったのか・・・さまざまな様子が浮かび上がります。 カード制作の余談ですが、今年度のおまけはモビールでということは決まったものの「糸」をどのようにカードにセットするのかなかなか決まりませんでした。そこで思いきって、今年度のテーマ「編む」に因んで、「糸」なんだからケースのど真ん中に糸巻きごとつけてしまえ! もう一ひねり、リサーチのオオヒメグモの糸に見立てよう! というようにデザイナーの坂さんとスタッフとわいわいやりながら一気にこの案ができました。しかし、実際のオオヒメグモがどうやって糸を出すのか、小田ラボの秋山さんに実演してもらったところ、オオヒメグモはカードのデザインのような「クモっぽい」糸のたらし方はしないのです。迷ったあげく、パッと見て「クモ → 糸!」という連想がはたらきやすそうな「クモっぽい」デザインを選びました。サイエンスとしての正確さと表現としての面白さの葛藤はいつもです・・・。オオヒメグモっぽくなくてすみません、秋山さん。 読者の方々のお手紙でも、ケース・表紙やモビールの組み合せへの反響は大きく、制作過程の苦労や楽しみを皆さんとも共有できたような気がして喜んでいます。65号は、クモの糸でうまくおさまりましたが、今年度あと3回、果たしてどのようにおさまるのか、ご期待下さい。 『めぐる』生命誌年刊号vol.61-64が、7月26日頃から書店に出ています。是非、手にとってご覧ください。今年はとても本らしい本になりました。今回から造本デザインを上野かおるさん、尾崎閑也さんにお願いしています。本作りのプロの方が、生命誌に新鮮な形を与えてくれました。さらにこれを担当したスタッフ今村さんは勢い余って、坂さんも巻き込んでペーパークラフトまでつけてしまいました。年刊号だけのおまけです。 表現セクターでは、毎年、お正月過ぎから年度をまたがって、新テーマの季刊生命誌が発行されるまでというのは、「ちょー大変」です。一年を振り返りながらも、表現としては新しい形に作る書籍版年刊号と、なんにもないところから新しいテーマを立ち上げて形にする最新号を同時に走らせているのですから。今年はそのうえ当セクター前代未聞の少人数。ここを乗り切れたのは、スタッフ一人一人の信じられないほどの頑張りがあったからです。みんなどうもありがとう。 年刊号のおまけの地球儀ペーパークラフト。記事と関わりのある地名や情報を マッピングしました。組み立ても簡単です! |
[ 村田英克 ] |