展示や季刊「生命誌」を企画・制作する「表現を通して生きものを考えるセクター」のスタッフが、日頃に思うことや展示のメイキング裏話を紹介します。月二回、スタッフが交替で更新しています。
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【季刊生命誌CROSSから広がる】
研究と表現を一緒に行っているところから、新しい発見や問いが生まれてくる。そこに生命誌研究館の独自性があります。そう言われても、当事者になってみないとなかなか実感が湧かないかもしれません。 研究館は、生きものの実験研究を行うラボセクターと、表現を通して生きものを考えるSICPセクターを軸に、事務セクターが組織運営を支え、それぞれの専門性を生かして活動しています。館内では、定期的にセミナーを行い、研究や表現の成果を発表しディスカッションする形で、交流がはかられています。 SICPセクターでは、館内の研究はもちろん、現在行われている外部のさまざまな分野の研究に取材しながら季刊誌、展示、映像など、多様な媒体を組み合わせた表現に取り組み、日々、「生命誌」を考え続けています。そんな中で今年から、季刊生命誌に「CROSS」という企画を設けました。毎回、館内の研究を一つ取り上げ、その研究と関わりの深い外部の研究に取材し、二つの研究の重なりから生命誌の広がりを求めていく企画です。一回目は小田さん、二回目は尾崎さん、今、三回目に取り組んでいる最中です。 ラボもSICPもそれぞれの仕事が忙しい毎日ですが、この企画を続けることで、館の日常の中で冒頭に述べた「研究と表現を一緒に行」う、下地作りをさら深めたいと思います。とくに今回のCROSSでは、BRHのラボと外部のラボとの共同研究の現場に入り、数日を一緒に過ごす中で、生きた会話の中からさらに広がりを感じました。こうした交流から発展する具体的な企画を、次年度の計画にも積極的にあげていこうと思います。三回目のCROSSの内容は、63号の発行までのお楽しみとしてください。同じ63号のニュースのコーナーでは、「SICPってどんな仕事をしているの?」という疑問に答える内容を企画しています。さらに、SICPでは、新しいスタッフの募集を行います。真剣に、「表現を通して生きものを考え」たい方、ぜひご応募ください。 |
[ 村田英克 ] |