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表現スタッフ日記

展示季刊「生命誌」を企画・制作する「表現を通して生きものを考えるセクター」のスタッフが、日頃に思うことや展示のメイキング裏話を紹介します。月二回、スタッフが交替で更新しています。

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【考える日々】

齊藤わか
 はじめまして、BRHの展示ガイドスタッフ(見習い)の齊藤わかと申します。現在大学院でテツカエデという植物の「形」と環境との関わりをテーマに、森林生態学を研究しています。専門とは別に、自然現象や社会現象の数理モデルにも興味を持っています。そしてBRHでは来館者の方に生命誌を伝える展示ガイドとして、日々いろいろなことを勉強しています。
 とつぜんですが、「生命誌研究館」は英語では「Biohistory research hall」と訳します。日本語で書くと6文字ですが、英語で書くと22文字です。文字数が結構違う気がしませんか。日本語ではひらがなとカタカナそれぞれ50種、それにたくさんの漢字を使って文章を書きます。一方英語はアルファベット26種類。日本語に比べて文字の種類は少ないです。何が言いたいかというと、文字の「種数」と文字の「数」は逆相関があるような気がするのです。この相関を考えれば、どんな言語でも、表せる情報量は同じであることが分かると思います。世界にたくさんの言語が共存しているのは、こういうことが一因なんだろうなと思ってきました。
 さてゲノムの世界を見てみると、ゲノムを作る文字の「種類」はたったの4つだそうですが、上の話からすると文字の「数」を増やせば情報量に問題はないということになります(ちなみに人の塩基の数は約32億だそうです!)。でもここで興味深いのは、全ての生物で文字の種類が4種であるということです。英語や日本語やその他たくさんの言語が共存しているように、文字の種数が違うゲノムが多数共存していてもいいんじゃないかなぁと思った次第です。でも、これからもっと展示の勉強をしていけば、その理由も分かってくるかもしれない、とわくわくしています。
 BRHに来て何を感じ、何を考えるかは本当に人それぞれだと思います。人それぞれの考え方を、来館者の方と共有したり、話し合ったりできたらすばらしいなと思っています。BRHでお会いしたときは、どうぞよろしくお願いします。

 [ 齊藤わか ]

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