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表現スタッフ日記

展示季刊「生命誌」を企画・制作する「表現を通して生きものを考えるセクター」のスタッフが、日頃に思うことや展示のメイキング裏話を紹介します。月二回、スタッフが交替で更新しています。

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【見つける楽しみ】

後藤紘子
 立春を過ぎてから次々と寒波がやってきて、この辺りではめずらしく雪景色になりました。BRHの桜並木の固いつぼみは、ぎゅっと寒さをしのいで春に備えているようです。毎朝見る同じ風景も季節ごとに変化していて、それを見つけるのが私の小さな楽しみです。この季節、通勤路にある橋では、ユリカモメの一団が欄干を占領しています。毎朝、寝床である琵琶湖から20〜30キロの距離を飛んで来るようで、日によって数は違いますが、多いときはなかなか圧巻です。不思議といつも等間隔に並んでいて、一羽が割り込むとそれぞれが動き、程よい間隔に落ち着きます。3月に入り暖かい日が続くと見かけなくなるので、ユリカモメの数百キロを北上する旅が、春の到来を教えてくれます。小さな体で厳しい自然の中を生きている渡り鳥に、たくましさを感じる季節です。
 BRHの展示ホールも少しずつ変化しています。前回の日記でも紹介しましたが、細胞展の展示室に「細胞のふるまいインタラクティブ・コーナー」が加わりました。私たちの体の中で生きている多様な細胞の姿を集めたコンテンツに、多くの研究者の方々がご協力下さいました。集まった細胞の画像や映像を見ていると、同じようなはたらきをしているのに居場所によって形が違うもの、よく似た形だけれどはたらきが違うもの、ある役割を果たすのに最適な形をしているものなど、細胞たちの巧みな工夫に驚くことがたくさんあります。楽しみながら、迫力ある画像や映像を見ていただけるしかけになっていますので、さまざまな細胞のよく似たところや多様なところを探してみて下さい。また、展示室の照明も変わり、柔らかい光が細胞の柔軟さを引き立てるような空間になりました。グッズ売り場も大改装されましたし、これから新しい展示も始まります。新たな表現が加わったBRHへぜひいらして、生きものの魅力を発見して下さい。






 [ 後藤紘子 ]

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