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表現スタッフ日記

展示季刊「生命誌」を企画・制作する「表現を通して生きものを考えるセクター」のスタッフが、日頃に思うことや展示のメイキング裏話を紹介します。月二回、スタッフが交替で更新しています。

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【秋の珍客】

山岸 敦
 私たちの仕事場は1階にありますが、入り口からは少し離れているので、ご用のある方からのご訪問は受付や事務を介して連絡が入ります。
 先日の朝、仕事を始めかけた私に「館の前でトリがうずくまっている」という話が来ました。やや管轄外ですが、放っておくわけにはいきません。とりあえず上の研究室からゴム手袋を借りて(原因不明で不調の野鳥は、ちょっと素手で触るのがためらわれます)、様子を見に行きました。ハトより一まわり小さいのが眼を閉じていて触ってもほとんど反応せず、見るからにヤバイ感じです。見回すと、自動ドアのガラスに何かがぶつかった跡があり、どうやら研究館に入ろうとして(?)突っ込んでしまったようです。
 さて原因は推測できても、治療法はもちろんわかりません。私が知っているのは、「弱った鳥は体が冷えないようにする」ということだけです。倉庫から空の段ボールを出し、ナナフシの飼育展示を作った時の余りの網を切って即席の鳥箱を作り、上から電球をあてました。館のメンバーで野生生物に詳しい廣崎さんにも相談し、水を与えて様子を見てみることにしました。
 幸い、しばらくすると目も開いてがさごそ動き始めました。午後もう少し様子を見て、日が高いうちに外に放すことができました。
 この“お客さん”の名前が分からなかったのですが、あとで廣崎さんがあくあぴあ芥川の方に聞くと『シロハラ』の子ども(今年生まれた男の子)らしいとのことです。まだ世間になれていないので、よくぶつかることがあるとか。



 ところで、私はまだ見ていないのですが館のまわりでタヌキの目撃情報があるそうです。そのうちタヌキに呼び出される日がくるのでしょうか。


 [ 山岸 敦 ]

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