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表現スタッフ日記

展示季刊「生命誌」を企画・制作する「表現を通して生きものを考えるセクター」のスタッフが、日頃に思うことや展示のメイキング裏話を紹介します。月二回、スタッフが交替で更新しています。

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【にじみでる個性】

遠山真理
 2006年も気づけば一ヶ月が過ぎ、SICPのメンバーになってからちょうど2年半。いつの間にかSICP紹介ページの写真も上の方になってしまいました。日々、新しい試みに取り組み、いろんな出来事があったはずなのに、あっという間に感じられるから不思議です。「今、こうして、生命誌研究館のスタッフの一員として働けることに感謝しつつ、私らしく「研究を表現する」ことに挑戦していきたいと思います。」というのは、2年半前の表現スタッフ日記の一文です。読み返すと照れますし、「研究を表現する」というよりも「生命誌を表現する」ではないのかと、自分の文章に赤を入れたくなりますが、SICPスタッフとして活動できる毎日に感謝をする気持ちにはかわりありません。全力でぶつかる仕事だけに、ピンチも多々ありますが、そこは「ピンチはチャンス」という先輩方の言葉を胸に、一歩一歩を大切に前に進みたいと思います。以上、今年の抱負でした。
 話は変わりますが、1階ホールの中央展示台の展示が1月末にパッと新しくなりました。一部が新しくなっただけなのに、館内の雰囲気もがらりと変わり、まるでホールに春が訪れたようです。もちろん、制作途中の段階では何度も目にしたはずの新規展示ですが、ホールに位置づけられたのを眺めると、さらに担当者らしさがにじみ出ているように感じました。SICPのメンバーは生命誌を表現したいという共通性を持ちながら、それぞれの視点が少しずつ異なり、興味の対象も多様です。共通でありながら多様であるという強みを、最大限に引き出すのがSICPの得意技ですから、できあがったものには担当者らしさがみてとれるのです。
 例えば新規展示の「ゲノム展」には複雑なものを複雑なままとりいれることのできる村田さんの思考回路。もうひとつの新規展示「自然の中で時間を紡ぐ生きものたち展」にはかゆいところに手が届くような説明がちりばめられた山岸さんの気配り。昨年の夏に完成した「エコシアター 海を漂うクラゲ〜プランクトンとしての生活」にはつくるのは楽しかっただろうなと想像させる板橋さんの初々しさ。修士論文締め切り間近の坂東さんが描く「分子生物学会の研究動向を捉えるポップな図」には、どれもあますことなく楽しく盛り込みたい気持ちがみてとれます。3月に完成予定の「生命誌のお散歩の上にかかる生きものたちのモビール」にもきっと美しくまとめながら内容にぬかりのない北地さんらしさがでるのでしょう。そういう視点でBRHの館内を探索したら、ひと味ちがった楽しみ方ができるのではないでしょうか。ぜひ、新たな展示が仲間入りしたBRHに足をお運びください。


 [ 遠山真理 ]

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