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表現スタッフ日記

展示季刊「生命誌」を企画・制作する「表現を通して生きものを考えるセクター」のスタッフが、日頃に思うことや展示のメイキング裏話を紹介します。月二回、スタッフが交替で更新しています。

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【月一参勤】

北地直子
 2003年に常勤スタッフを離れてから、現在は四国から月に一度出勤する勤務形態で、SICPの活動を続けさせてもらっている。BRHのメールは毎日チェックし、時にはTVチャットでミーティングに参加もできる。どこででも電話ができ、webに繋がり、好きな音楽を聞くことができる便利な時代、もうどこにいるかということはほとんど問題がなくなってきているようだ。それは大変ありがたいことであり、同時に、今どこにいるかというのは、やはり大袈裟な話、生きものにとって生死にもかかわること…、情報は飛んでも身体は飛んでいけない…という当たり前のことを痛感する。
 日々メールでやりとりしていても、実際SICPセクターの部屋に入って、顔を合わせて話し合い、空気を察し、そのうちお互いパソコンを睨みながら目も合わさずおしゃべりしながら、ようやくじわじわと‘地理的隔離’が解消されていく思いがする。そして何より、仕事が進む。素晴らしい場所である。
 思えば、SICPスタッフは外勤や出張が多い。デザイン事務所へそちらの社員かと思うくらいに通っていた村田チーフ、毎週のように東京を行き来する遠山さん。山岸さんは日帰りでも沖縄へ飛び、板橋さんも入社したてから早々にこなし、板東さんはいろいろな学生の輪の中に飛び込んできている。実際に人に出会い、色や質感を自分の目で確認し、身ぶり手ぶりを交えつつ語り合わなければならないのだ。
 そもそも中村館長のご自宅は東京だし、気づけば今SICPは関東出身者が多い。これも大阪高槻にしかないJT生命誌研究館の魅力の表れだろうか。
 この館から離れているのは寂しいが、先日ドイツに旅立った工藤さんと共に「SICPの海外(?)組」と思って奮起している次第だ。年刊号編纂の季節になり、これからは週一参勤に切り替えて、BRHにどっぷり浸かりつつ、外部からの視点も意識しつつ、編集に取り組みたいと思う。


 [ 北地直子 ]

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