展示や季刊「生命誌」を企画・制作する「表現を通して生きものを考えるセクター」のスタッフが、日頃に思うことや展示のメイキング裏話を紹介します。月二回、スタッフが交替で更新しています。
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【情報の渦を楽しくスイスイと】
2002年1月15日
今年も楽しく、いろいろなものを作ってお届けしたいと思っています。 皆様、どうぞ宜しくお願い致します。 最近、なんて情報量が多い世の中!、と、ものすごく遅ればせながら気付きました。私は、あれもこれも知らなきゃ!というタイプでなく、本の知識より、自分が経験し感じたことを大切にしています。そして、自分の中からというか、その体験をもとにやりたい知りたいと思った時、真剣に学ぶという順番を守っています。一応、自分ができる精一杯、眼をひらき、耳をすまし、いろいろなことを吸収しようと生きているので、それでダメなら仕方ないという変な腹のくくり方をしているわけです。 年末に副館長が企画した異分野フォーラム「ゲノムと言語」に参加しました。この時も体験重視型で、事前勉強はせず、参加して初めて言語学というものに出会いました。言葉にアプローチする手法を知り、それに取り組んで苦戦している人の熱くて楽 しそうな様子を感じて来ました。私の頭の中はもう大変。今までのいろいろなことがつながって、そういうことだったのか!ということがたくさん。このワクワク感を持って、いざ本屋さんへ。しかし、そこで勉強することの多さに我ながらクラクラしました。たくさんの本を買い込んだものの、今一つ進みが悪い。やはり勉強していって、フォーラムでもっと吸収すれば良かったと、久々に後悔しました。情報が多いと質を判断しなければならないのに、わからないことの場合、それが困難。そんな中、 BRHの研究会にでてみれば、最近の実験手法の複雑さと開発のスピードにおののき、 インターネットで調べものをすれば、欲しい情報がすぐに手に入らない。言論の自由が浸透し、さらに誰もが発信者になれる技術が開発され、ものすごいんだと実感したわけです。おかげで私の年末年始の頭には、「情報の渦&海で必死に溺れないように泳ぐ人の図」が浮かびっぱなしでした。 しかしこれって、たんに自分の存在確認、人に理解されたい!人に影響を与えたい!ってことだ、ということに気付き、情報の渦&海が生きものっぽく感じられ、その中で生きることが、ちょっといとしく思えました。上手にスイスイ泳いで、楽しくサイエンスコミュニケーション&プロダクションで、今年もいきたいと思います! [工藤光子] |