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表現スタッフ日記

展示季刊「生命誌」を企画・制作する「表現を通して生きものを考えるセクター」のスタッフが、日頃に思うことや展示のメイキング裏話を紹介します。月二回、スタッフが交替で更新しています。

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【英語的思考が好き?】

2000年12月1日

 2年前に制作した『DNAが描くオサムシ新地図―進化の新しい原理を探る』の英語版を作る仕事をしています。オサムシの採集シーン、DNA解析からの様子、研究から生まれた発見など、オサムシ研究の全貌を紹介したものでしたが、それを海外や日本にいる外国人にも紹介したいと企画したものです。
 膨大な量のナレーションや、登場人物の言葉を英語にするために、アメリカ人のナレーターの人を中心にネイティブの方々にお願いして翻訳作業をしています。先日、まず出来上った第1稿をもとに打ち合わせをしたのですが、久し振りに英語圏の人と一緒に仕事をして、とても不思議な気持ちになりました。
 翻訳された文がどこかしっくりこないとき、「この文の・・・というところがどうも違うんです。・・・ということを入れる必要があるのだけど・・・」とこちらが(英語と日本語を混ぜながら)説明すると、ナレーターのピーターさんは、即座に「How about ・・・?(・・・という表現はどうですか)」と答えてくれる。よけいなことなしに、本質だけを、しかし、議論しながら作っていく。イギリスで研究していたとき、実験を計画するときも、論文を書くときも、同じような経験をよくしていました。イギリス人は実に議論が上手で、議論によって何かを作ることができる。今回、一緒に仕事をしたピーターさんはアメリカ人でしたが、久し振りに同じことを感じたので、とてもなつかしい気がしたのです。
 日本での議論というと、なぜかお互いの主張をぶつけ合うだけで、なかなかうまく議論ができないと、よく思います。もしかしたら、私の思考パターンは日本人らしくないのかもしれない。英語的思考が好きなのは確かなようです。同じようなことを感じている人がいたら教えてくれませんか。
[加藤和人]

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